おまけでざっきーキッチン@長崎を振り返り、好きな事って大事だと思う

数年前にセルフクライシスに陥った僕を、本当に助けて頂いて、今、楽しく仕事ができている状態にまで導いて頂いた、いかりんこと、碇谷圭子さんの出版記念をお祝いするパーティーが長崎であり、ふたたび出張シェフをしてきました。

参加者20人の料理を作るとなると、下準備も必要なので、開催日の前日には、開催地の長崎にいないといけないのですが、6月の最終営業日でもあり、、、

結局、優先したのは「自分自身がやりたいかどうか」でした。

そりゃもう、勤務先やら関係者各位には、色々ご心配やら、ご調整を頂きましたし、何でそんな無理して行くの?

という話もありましたが「料理」という今までの人生において、僕を救ってくれた生き方と、その僕を救ってくれた、いかりんの指名もあり、論理的には説明できないんだけど、感情的に「どうしてもやろう」と思ったんですよね。

 

現在の僕を取り巻く環境は、勤務先での立場も無駄にあるので、忙しく、厳しくなる一方だし、ブログも書きにくい状態で、なかなかしんどい状況ではあるんだけど、でもね、「料理」という切り口だけは、誰も僕が表現することを止めることもできないし、やっぱり食べることは生きることだと思うので、ブログにまとめておこうと思ったんです。

 

また、当日、いかりん出版記念パーティーにご参加頂いた皆様には、詳細な説明をしておりませんので、時間は空いちゃいましたが、ご参照いただけると嬉しいな、という気持ちと、日々の料理って、本当は凄く二度とない時間なんだって事を、伝えられたらいいな、って思って書いてみました。

本質的には、経営の役に立つと思っているのですが、ノウハウよりも、人としてのあり方の方が、よっぽどこれからのビジネスには大事だと思うので、長文ですか、よろしくです(笑)

さて、当日お出しした料理のラインナップを、提供順で解説していきます。

写真は、いろんな方が撮って頂いたものを、勝手につかっていますので(汗)問題があればご指摘ください!

 

1)うずら玉子のピクルス

僕のピクルスは、日本初のフードコーディネーターでいらっしゃる、マロンねえさまのレシピをリスペクトして、マリネ液を作っています。

天才であるマロンねえさまのアイデアは、マリネ液に、水ではなく「出汁」を使うことです!

僕は、しっかりした昆布だしを使って、マリネ液をまとめていまして、これで、さっと湯がいた食材を漬けこむと、本当に野菜やうずら卵の旨味を引き出してくれるからです。

それと、大事なのはハーブやスパイス!黒胡椒はホールをちょっと煎るし、鷹の爪も種を取るとか、月桂樹は葉を一度折るとかですし、何と言ってもフレッシュな「ディル」これがあるかどうかが、最大のポイントかな。

料理のスターターとしても、食欲がわくし、うずら卵も、全て生を茹でて、丁寧に殻をむいて使うと、水煮のうずら玉子とは違った香りや旨味を感じられます!

 

2)地魚昆布締めの胡瓜海苔巻き

昆布締めという、お魚をいただく手法がありますが、普通にお出ししても面白くないし、パーティーですからね!ちょっとアレンジをしてみました。

長崎の新大工町にある魚屋さんで買った、金目鯛と平スを。切り身にしてから昆布で一夜締めにしておいて、胡瓜をピーラーで細長く仕上げて、海苔を挟み、その上に、昆布締めと、パプリカ大葉を飾り、アクセントに、クリームチーズにハーブとニンニクを和えたものを塗って、ロールにしました!

料理は見た目が大事!特に大切な方に作るものや、友人に振る舞う場合、やっつけ仕事かどうかは、ビジュアルに現れますからね♪

手間暇かかるけど、だからするんです。命をいただくのに、手は暇を惜しんでどうするの?と僕は思っていますから。

これを、万人に押し付けることはないんだけど、価値観の根底にあることだから、違っててもいいんだけど、それぐらい、料理を大事にしている人がいることも、想像できるようになるといいよね。人はそれぞれ、違っていんだから。

 

3)タコのマリネ

これ、僕のパーティー料理のスターターの定番です!

とってもシンプルなのに、めっちゃ美味しいから♪

材料は、タコ、玉ねぎ、レモン、サラダ油、塩、胡椒、こんだけ!!!

レモンを絞って、レモン汁に塩と胡椒を、ちょっと感じるぐらいに入れて溶かして、安いサラダ油でマリナード!

マリネ液が出来たら、そこにスライスしたタコと玉ねぎを入れて、一晩置くだけ!こんだけです。

玉ねぎにはタンパク質分解酵素が多くあり、これがタコを柔らかくする作用が働きますし、アリシンという成分もマリネすることで保たれますので、コルステロールを下げる効果があり、また、空気に触れないので、臭みが感じにくくなり、一体化した美味しさになります。

絶対に、オリーブオイルとか使わないでね!単純なものほど、余分な装飾はいらないから(笑)

 

4)オレンジ色のポテサラ

タネを明かせば簡単なんですが(笑)オレンジ色は「パプリカ」というスパイスです。

そして、味を構成するもう1つの要素が、フレッシュハーブの「ディル」です。

スパイスと、フレッシュハーブというのは、対で使うイメージをすると、料理が化けますよ!

まあ、今回は、それにかしく味で、塩鮭をしっかり焼いて、ほぐし身も混ぜ合わせています。

ポテサラって、面倒くさいイメージがあるかもしれませんが、基本の材料は、ポテトとマヨネーズだけです(笑)

これに、何を混ぜこむのか、という時に、ハムだったり、晒し玉ねぎだったり、胡瓜だったり、人参だったりするわけで、何を入れても良いし、だからこそ、家庭の冷蔵庫にある余り物で良いのです!

塩鮭でなくとも、アジの干物だったら、パプリカの代わりに「ターメリック」にして「パセリ」を入れても色鮮やかで美味しく出来ますよ!

箸休めとして、ちょっと腹持ちとして、こんな感じでお出ししました♪

 

5)根菜類のバーニャカウダ

僕が考えるバーニャカウダソースは、野菜の旨味を引き出すものが良いと思っています。

ソースはできるだけ少なめで、でも、インパクトがあって、野菜本来の甘さを引き出す役割を持たしたいと思うのです。

となると、ディップではなく、あくまでもソース!ちょっとだけ根菜に付いてても、そのままいただける感じを目指します。

ポイントは、ソースのベースとなるニンニクの処理にあります。

ニンニクは、皮を外し、芽を取り除き、小鍋で弱火で水と牛乳で煮ます。そうするとニンニクの臭みだけが外れて、ニンニクの旨味とほのかな優しい香りが残ります。

これをザルなどで裏ごしして、刻んだアンチョビと、弱火に火にかけて、オリーブオイルを加えながら乳化させます。

これだけです(笑)そうね、面倒ですが、ちょっと付けるだけで大満足なソースです。マヨネーズたっぷりなどいうことを避けられますよ!

パーティーは、最初にきちんと野菜をとっておかないと、後の料理を召し上がれなくなります。味付けが強すぎてもだめだし、脂っこすぎてもだめ、そうゆう時に、根菜のバーニャカウダは、とっても大事なスターターだと考えています。

 

6)茹で鶏のサルサソース

茹で鶏の作り方は、こちらから(笑)まあ、簡単です!鶏の胸肉が化けますから、お試しあれ〜

まあ、今回はイタリアンなので、サルサソースに!

でね、こうゆう野菜を刻んだソースってのは、何が大事なのかというと「刻んだ野菜の大きさを揃える」ことです。

食感って、ものすごく料理の味にインパクトがあるの。

バラついていると、噛んだ時の香りや旨味の感じ方がおかしくなるの、、、

だから、僕はもてなす時は、それはこの大きさに結構こだわります。だって、それが愛だからね♪

料理は、感じ方は100人いたら、100人違うんだけどさ、その料理に込めた想いってのは、細部を見ると分かっちゃう、、、

料理というのは、とても素直で、とても直球だと改めて感じるんです。

 

7)豆乳のスパイシースープ

前回の長崎ざっきーキッチンで作ったので、箸休めの意味と、ソルベがわりに作りました。

ちょっとスパイス(特にターメリック、こいつの扱いは難しいね、、、)を効かせすぎたので、発汗作用が増幅され、パーティーをさらに盛り上げるブースターになりましたが、基本はとても簡単です!

具材は、海老(普通のブラックタイガー)ですが、海老の殻と、今までの食材で出てきた野菜クズを使ってシュリンプ&ベジブロスを取って、豆乳に混ぜて、スパイスと塩で整えた、というものです。

海老の殻を炒ると、もの凄い旨味が取り出せます。また、そこに野菜くずを加え、一緒に炒めて、お酒でフランベし、水を加えて煮詰める、という作業をします。

これによって、旨味のエキス、というべきものを取り出す事ができます。

海老は、きちんと掃除して、卵白と塩胡椒で和えて置くと持ちますし、それを温めた豆乳(沸騰させてはいけません)に入れ、ゆっくり火を入れて、取り出しておいて、ターメリック、チリパウダー、コリアンダーでスパーシーに仕上げます。比率はだいたいですが、1:1:2ぐらいでしょうか。

最後に塩で決めて、海老の入ったプラカップに入れて出来上がり!

豆乳と、なんかの出汁、そして具にするもののエキスとスパイス、これが簡単スープを構成する要素です。

 

8)カラスミと大根菜を使ったオイルパスタ

このパスタの前に、冷製トマトのカッペリーニがあるのですが、写真がないので省きます(笑)

ちなみにレシピのリンクを、上記に貼っておきますね♪

 

さて、オイル系のパスタというのは、アーリオオーリオぺぺロンチーノを作って、それに食材を加えていけば良いのです。

また、そこまでシンプルだと、失敗が怖いという向けに、簡単なオイルパスタベースの作り方を披露します。

まずは、ニンニクをみじん切りにしたものを小皿に入れて、オリーブオイルで満たしておきます。

それと、鷹の爪を刻んで(種を外してね)アンチョビを刻んで、フライパンに入れて、先ほどのオリーブオイルに使ったニンニクを加えて混ぜてから、フライパンに火をつけてください。

するとアンチョビが飛び始める(それぐらいにはニンニクにも火が入り始めている)たら、パスタを茹でている茹で汁を入れて乳化させて火を止めておいておいてください。

それだけです(笑)

今回は、地物野菜の「大根菜」というちょっと苦味のある野菜があったので、これを茹で上がったパスタとともに和えて(それぐらいで火が通りますから)、そこに、長崎名産のカラスミをすり下ろしたものをトッピングしました。

おいりパスタのポイントは、このニンニク(香り)と、鷹の爪(辛味)と、アンチョビ(旨味)をオイルで引き出して、茹で汁で乳化させる事でソースを作って置くことにあります。

パスタ自身は、茹で上がると水分を求めますし、熱々ですので、先にソースが出来ていても冷えちゃうとか、そんなこと考える必要はありません。オイルって冷めるまで時間がかかるので、くれぐれもニンニク、鷹の爪、アンチョビを焦がさないことを意識してくださいね。

ちなみに、簡単なオイルパスタのレシピは、こちらです。

 

9)ノンクリームノンオイルカルボナーラ

これも、僕の定番、ノンクリームノンオイルカルボナーラのレシピ通りのパスタです。

この意味は、パスタって、熱々じゃなくても、美味しさが維持できるものがある、ということを知ってもらいたかったからです。

クリームなどのオイルは本当に時間の変化で風味がガクンと落ちます。

卵の甘みと、黒胡椒の刺激を味わって頂く先に、小麦の懐の深さを感じられる仕上がりを目指しております♪

 

10)フジッリのボロネーゼ

 

こちらが、唯一、東京で仕込んでいった料理です。

でも、仕込んだのは、材料の一部、トマトソースだけです。まあ、これが美味しけりゃ、何をやっても美味しい!

イタリアではマンマの味だし、日本でいうところの、家庭家庭によって違う、味噌の違いや、出汁の違いなので、何が正しいとはいえないんですが、強いて言えば「ざっきーのトマトソース」

だからこそ、挽肉ではなく、牛肉の切り落としを、刻んで作り上げた一品です!

凄くシンプル!肉を焦がし、赤ワインでフランベ、トマトソースとざっくり合わせて、フィジッリと合わせて、すりおろしたチーズを掛ける!

旨味は強くても、野菜の甘みたっぷりだから、これはマーベラスな仕上がりになりました〜

 

11)豚肉のピッツァヨーラ

これも、ざっきーの定番レシピ、豚肉のピッツァヨーラではありますが、今回のは一味違います。

トマトは、美味しそうな小ぶりの有機トマトを、グリルで長時間焼いて、セミドライトマトを作りまして、それで焼いています。

それと、今回は、電気容量の問題があり、冷房を優先するため、電子レンジやオーブンレンジを一切使っておらず、普通の魚焼きグリルにて仕上げました(笑)

召し上がった皆さんは感じられたと思いますが、豚肉が柔らかく、めっちゃジューシーじゃなかったですか?

豚肉って、調理の仕方次第では、牛肉の旨味を超えるんですよ!

普通の豚肩ロース、セミドライトマト、溶けるチーズ、これだけのシンプルな食材なのに、なぜが旨味がマリアージュします。

簡単にできるので、お試しあれ〜

 

12)タンドリーチキンのピラフ添え(新大工町トルコライス)

タンドリーチキンの基本レシピは、スパイスをまとわせてヨーグルトでマリネして焼く、というものです。

これも、今回のパーティーにふさわしいように、カレー粉を使わず、スパイスを多用して、前日からマリナードしておいたものを、パプリカスパイシーライスの上に乗せたものです。

やはり日本人ですからね。お米がちょっとあってもいいのかなって。

 

それと、もう、気づかれている方が多いとおもいますが、今回はあえてスパイスを使っています。

パーティー会場の広さと、参加される人数、盛り上がりのイメージを考えると、多分、暑くなると予想していました。

で、エアコンを強化するなんてことはできないわけで、であれば、ホストのシェフとしてできることは、適度な発汗と、食欲のコントロール、そして、お一人お一人にお出しできるわけではないので、冷めても食欲をそそる料理を意識して、メニュー構成を考えたのです。

だから、食材も、いろんなものを使うのではなく、このパプリカライスも茹で鶏の茹で汁で炊いているとか(笑)まあ、だから、美味しいんですけどね(笑)一期一会で集まった方々の縁にリスペクトして、そして、それを繋いでくれた、いかりんへの感謝の気持ちから、こういうメニュー設計にしてみたのです。

そして、こんなことは、僕一人では到底できなくて、全体をプロデュースしてくれた、のりちゃんこと神崎のり子さん、そして、僕のアシスタントシェフを務めてくれた、ちえちゃんこと河野智恵子さん、この二人が居なければ、決して出来なかったと思います。

というか、最近では、僕は「出張シェフはしない」ので(笑)

今回は、僕自身も自分で自分の判断を驚くぐらい、依頼された時に無意識でOKしたんですよね、なぜか(笑)

まあ、そうゆう無意識に判断できることが、本当に自分のしたいことなのかも知れません。

 

そして、そんな方々を繋いでくれたいかりん、やっぱり、ご縁なのでしょうね、実は、一年前にも、出張シェフの企画がありましたから、一年越しにこうやって料理を振る舞える機会を頂いたことは、とっても素晴らしいギフトでした。

でね、振り返ってみるとわかるんだけど、やっぱりさ、楽しいからやれるんだよね!

大変なことも、乗り越えなきゃいけない事も、時間の制約も、いろんなハードルがあるんだけど、やれたんですよね。

ほらね、楽しそうだもの(笑)本当に、楽しかったからね!

 

そして、いかりんの出版のお祝いパーティーの、おまけでの出張シェフでしたからね、いかりんに聴いてみたんです、何が一番美味しかったですかって?

ね、料理でも、想いは伝わるんだ、ということです。

もう、これだけで、ざっきーは行ってよかったなーって、自分を褒められるんですよね♪

 

さて、自分自身が実験台でしたが(笑)今回の遊びは、「遊びってのは、仕事じゃないのだから、真剣にやれよ」というタモリさんの名言を思い起こさせます。

楽しいこと、趣味とか、遊びを真剣にできるようになると、翻って、仕事や、生活や、人生そのものも真剣に生きれるようになるので、やっぱり大事だなーって。

この気づき、めっちゃ経営に役立ちません?僕は役立つと思いますよ!皆さま全員が、そうかどうかは、知らんけどね(笑)

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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