中国から見た日本海の地図、ご覧になったことありますか

ざっきーです、経営者専門の保険屋です。いろんな戯言を書いておりますが、皆さんの経営のヒントになればという思いから、書き綴っております。

僕が聞いた情報のほとんどは、現役の経営者ご自身の言葉だったりします。身近でなく、今は関係がなさそうなことも、意外と何かの時に繋がったり、リスク(不確実生)の回避につながることもあるので、時間がある時にでも読んでいただけると、嬉しいな。

 

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さて、昨日書ききれなかった政治絡みのはなしです。まずは、いろんなご意見もあるでしょうか、中国の話もさせてください。

実は、中国の国としての動きというのが、もう一つの超大国アメリカの動きにつながります。結果、経済もそのようにつながりますし、大きな時代の流れが、これをもとに少しは掴めるかもしれません。

 

中国というのは、西欧諸国と違う価値観を持っています。思い出してくださいませ、世界史の一番最初の項目です。

世界で最初に文明が開いた、世界の四大文明のうち、アジアで生まれた中華文明というのは、何と4,000年を超える歴史がありますから、欧米諸国との価値観に違いがあるのは当たり前の話ですよね。ギリシャの都市国家も、ローマ帝国も、中華文明からすれば歴史の深度が違うんです。

 

ここで、僕が理解している話ではありますが、中国における中華文明の「文明としての危機」が三回あったと認識しています。

 

一度目は、仏教の伝来です。仏教というのは発祥はインドですし、僕らが知っている仏教のお経は、漢字で書かれていますが、あれは本来、インダス文明を起源とするサンスクリット語での発音と、その意味を漢字に置き換えたものですね。

つまり、異文化の思想や言語を、漢字という中華発祥の言語や思想に吞み込み変化させた結果なわけです。それも、長い時間をかけ、既存の土着宗教や、中華的な考え方をも取り込みながら、統治システムとしても優れている仏教を取り込んでしまい、文化的な危機を回避したと考えるんですね。

この中華思想を定義するのは難しいのですが、唯一の皇帝が全て統治するというこだけではなく、天が皇帝を示し統治するのだから、世界の中心はここなのだ!、という思想の根幹があります。

そう、キリスト教や、イスラム教など一神教の神ではなく、天という概念と、一神教的な背景のない皇帝の権威というのは、ちょっと特殊ですよね。

 

二度目は、モンゴル族の侵入です。農耕民族である遊牧民族の侵入はモンゴル以外にも何度かありますが、モンゴル族の侵入というのは圧倒的で(西欧でもゲルマン民族の移動とは、やはり遊牧民族の圧迫ですよね)遊牧民族国家というのは、草や作物を全て食べつくして移動していくという思想ですから、農耕民族と合致するわけがないのですね。

でも、人類の歴史上、最大の版図を持つモンゴル帝国はその成立から時間が経つにつれ、4つの藩国に分割され、その一つが元という中華思想を中心に置いた国家となるまでに取り込んでいったわけですね。元という王朝は、その後、漢民族の明に取って代わられますが、その時点でも中華思想そのものは累々と継続されており、これは、現在の中国共産党の支配であっても中華思想そのものは延々と続いているのではないかなと思うんです。

 

三度目は、これが1840年のイギリス(西欧)によるアヘン戦争に始まる帝国主義の侵入です。実は、香港返還によって、やっと終わったところなんですよね。中国の立場からしたらね。でもでも、この中国から日本海を見た地図を見てくださいよ。

環日本海周辺国地図とか、逆さ地図とか言われるものです。

 

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中国の海に面している方向に何がありますかね?そう、北から、ロシア、日本、そして台湾という構図です。また、海への玄関口である半島の先には韓国があり、これらに共通するのは、アメリカという超大国の外交による同盟や、軍事力そのもので、包囲されているように見えませんか?

 

第二次世界大戦後の連合国(United Nations)とは、現在の国連(United Nations)のことでして(笑)常任理事国はその戦勝国ですよね。でも、その中でアジアの国は中国だけなのに、いつの間にかイギリスをはじめとする西欧諸国と、仲たがいしたロシアに囲まれている中で、本来は国外への進出先である中国の海の側には、アメリカの影響ばかりあることに気がつきませんか?

4,000年の歴史があり、帝国主義の時代に西欧だけではなく、日本にも侵略され、世界の中心だと自負していた中国が、その後の長い雌伏の時を超え、GDPで世界第2位となったのであれば、アメリカをも超えたいと思うのは、その歴史からしても当たり前のことかもしれません。

 

実際に、日本との外交の関係も、1980年代までは、中国のエリートは日本に留学しており、当時はまだ、アメリカや西欧へのトップエリートは留学していなかったようです。当時の外務省には麻雀ルームがあり、中国の駐在官が普通に訪ねてきていたという話は、よく聞く話です。実際、今でもビジネスのつながりは、その頃の交友関係が元になっていることは、実際に中国でのビジネスを展開されたことのある方はよくお分かりかと。

もっと、わかりやすい話ですと、現在の中国の外務大臣の王毅さんは、そのあたりの方で、文化大革命で下放された後に、日本語を学び、日本にも留学経験のある元駐日中国大使のエリートですよね。でも90年ぐらいから、国家主席が江沢民さんになった辺りから、反日が政策として始まりその後の経済成長の中で、天安門事件が起きるわけです。

 

良いとか、悪いとかじゃなくてね、第二次世界大戦で、自らも戦場となり、その復興の過程で、西欧諸国ほど、戦勝の果実を手に入れられなかったのが中国だったのではないのかなと。

思い返せば、同じ共産主義国であった当時のソビエトとの対立や、冷戦という世界的な枠組みの中で、置き去りにされ、内政でも文化大革命という反動がおきてしまい、ずーっと眠れる獅子だったわけです。そう、あのアヘン戦争の時からですよ。

 

想像してみてください。遅れはしたものの国際政治でも発言力が増し、経済的にも成長し始め、ようやく他の常任理事国と肩を並べ始めたて、海を見たら、何が見えたのでしょうか?って話です。

そりゃあ、目障りですよ、日本とかは(笑)それはもう、しょうがないこと。でもね、この流れ、戻ることがないことに気づいた方がいいと思うんです。

 

日本は既に人口が減少に入っている国です。しかも、これから国家としてのコストはもっとかかってきます。中国の場合は、問題はあるとしても圧倒的な人口と、中華思想への自信を少しづつ取り戻し始めている最中なのではないかと思うんですね。だって、ビジネスで相手をすると、凄いな!と思う方に出会いますからね。これが現実なんだと思うんです。

 

一方のアメリカはというと、この台頭してくる帝国を意識しているのかというと、実は、頭は大西洋を向いている感じです。なんだかんだ言っても西欧との関係がやはり強いし、意識は、同じ価値観のキリスト教国側にありますし、人種も、民族的にもやはりシンパシーは西欧にありますから。

つまり、中国は太平洋からアメリカを眺め、アメリカは頭は大西洋を見て、体が太平洋を向いていると。そうなると、ロシアは今でも南下したい訳だし、中国の南への膨張よりはやはり太平洋に出てくる。その時に、どれだけ日本が邪魔に思えるのか、という視点が、今後の大きな流れとしてはあるような気がしてなりません。

 

中国、アメリカ、ロシアは、大国ですが。日本は韓国や、台湾、そしてアジアの国々と一緒で外交上の調整変数に過ぎないのではないのかなと。

卑下して言っているんじゃなくて、そうマクロを捉えておいた方が、ミクロの経営判断においては、必要な視点になってくるんじゃないかと思うんですよね。

 

まあ、こんな感じで、地図をひっくりかえしたり、歴史の裏を想像したり、相手の立場でゼロから考えてみたり、現状をくるりと回して考えてみると、思わぬ気付きがあるかもしれません。ないかな?

 

いやあ、書いていたら、大きな話になっちゃうので、次からは元に戻って、決算書を中心に、数字をくるっと回してみたいと思います(笑)

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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