リアリストとアーティスト、経営者は二面性があるかも?

武田信玄は、徹底したリアリスト(現実主義者)と言われます。そう、勝つためにはありとあらゆる手段を使い、戦国時代最強と言われました。その信玄と争った上杉謙信は、徹底したアーティスト(理想主義者)と言われました、なぜなら戦の目的を義として、理念なき戦いをせずに、それでも圧倒的な強さを誇りました。二人の戦国時代の武将(リーダー)を分類で分けと、こんな解説になりますが、さて、経営者の皆さんはどちらでしょうか?

(ちなみに、今日のブログに戦国武将は出てきません(笑)リーダー属性を、時間軸での違いを書いてみました)

 

ブログを始めるにあたって、いろいろ教えてもらい、僕としては、大事なクライアントの皆さんに伝えたいことを、書いていきたなと思い、このスタンスで始めました。だから、僕のブログは「対話型ブログ」という形式で、書いております。

ブログそのものを書く理由というのは、多々あるんですが、一番大きな理由は「あんまり関係ないかもしれないけど、経営者という役職にある方が、知っておいていただくのは、いいんじゃないかな?」っていう内容をお伝えしたいなと思ったからです。

その内容というのは、いろんな経営者の方などと、お会いしてお話をさせて頂いたする機会に教えていただいた内容なのですが、それは経験に基づいた実学的な内容で、リスク(不確実性)にさらされている経営者の皆様にとっては、知っている事で、リスクを回避できるんじゃないか、と思える事柄が多くあるからなのです。

様々な方と、お会いする事も僕の仕事なので「わらしべ長者」的に、凄い経験をされた方とお話ができるという差異性があり、その際の事柄も、お伝えしたいと思うんですよね。

まあ、また何か書いとるなー、という感じで「一つの意見と、もう一つの意見」としてお読みただければ、とても嬉しいです。

 

そんな訳で、僕が何か知っている、理解しているという訳ではなく、いろんな情報が集まってきてしまう仕事上の特性のため、できるだけ整理して、自分のためにもまとめてみたい部分もあり、ちこちこ書いていきたいなと。だって、本当に示唆に富んだ情報って、ドキドキしませんか? 僕は好きなんです♪

 

あと、僕の場合、仕事でお会いしている時は、どちらかというとクライアントの皆さんのお話を傾聴したいので、できるだけ自分からの発信は抑えるようにしていますし、仕事の後の会食時にも、一応、同じようなスタンスでいるつもりでございます。だから、普段はなかなか伝えづらかったりするんですよね。

そんな事もあり、いろんな情報の取得(データ)、そしてその情報の整理(インフォメーション)、それを元に仮説やシナリオを考える(インテリジェンス)という、情報処理をしたものを、ブログに書ければとも思います。

だって、ブログって個人のメディアなんだから。小さい頃に図書館に行って、多数の書籍の中から、自分の価値観とは違う何かに出会った時の、あのワクワク感の反対側から、発信できるのは、とってもワクワクすることだから、僕はこんなスタンスで、書いていきたいなと思います。仕事以前に、ちょっと面白いんです(笑)

 

12784411_1008804425864591_851635245_n

 

昨日は、友人のお祝いがあったり、お誘いがあったり、仕込みがあったり(笑)して、気付いたら寝落ちしてしまいました。週末でもありますので、先週の諸々の情報を処理してみようと思います。

僕のクライアントは、経営者という職種の方が多いので、比較的僕よりもご年齢が上の方が多いのですが、最近は、僕も年齢を重ねてきたせいか、年下の方も多く、その場合、日本国内にとらわれない思考や、ビジネスを志向している方も多く、僕の感じている世界観について、聞かれることが多くなってまいりました。

 

僕自身は、非常にドメスティックな保険屋さん(笑)ですが、そうはいっても外資系企業も、外国籍の方もクライアントでいらっしゃいますし、多国籍に展開されている会社も多々あります。いろんな多様性に接しますし、できるだけ、一つの方向にならないように、情報を取るように意識をしています。

 

あと、金融機関勤務なもので、自ずと交友関係も、いつの間にか比較的グローバルになっちゃいまして、そんな方々との話をしていますと、自分の拠って立つ現時点の総括と、自分自身の価値観も含めた世界観という視点がないと、「あんた評論家だね、意味がないね、で、どうするの?」となってしまうんですよね。

「そう、それわかります」「なるほど、勉強になりました」「とても、共感しました」だけだと、中々本質的は議論になりませんし、話が聞けないんですね、それじゃあ、つまらないのです。

 

僕自身は、海外留学経験も、外国赴任経験もありませんが、何を間違えたか、31歳の頃からマーケティングフリー(お客様は自分で見つけてこい)のフルコミッション(稼いだ分しか払わんぞ)の報酬体系で仕事をしていますので「どうして、ざっきー(僕のことね)とビジネスをしないといけないのか?」が説明できないと、生き残ることすらできなかったんです(笑)

だからか、自分の立ち位置と、今後の世界観を持っていないと、そう、意見というか、意志がないと、そもそも選んで頂く土俵にすら残れなかったと思います。だから、自分の意見や、立ち位置や、世界観というのは、常にブラッシュアップする習慣がついたのかもしれません。サバイバルは人を鍛えると言いますが、そうかもしれません(まだまだ大甘ですけどね 笑)

 

しかも、この感覚、経営者の皆さんも、一緒じゃないかと思うんです。相当なブランドがない限り、経営者の皆さんの在り方や、考え方がブレたりすると、業績に影響があったりとかございませんかね?だから、皆さんの話のネタになればと思い、今回の切り口は、政治ネタから参ります(笑)経営者の皆さんにも共通する「リーダーシップ」の1つの側面の話です。

 

 

アメリカという国があります。建国から240年、現在の世界では経済も軍事もNO.1の国家です。ここでは、今、今後のリーダーを決める選挙キャンペーンが行われていまして、二大政党のうち、共和党の候補者の中から、下馬評を覆しトランプさんという実業家の方が、優勢になっておられるようです。

細かな分析は、僕は政治ウオッチャーじゃないのでやめておきますが、今回のこのことから思い出したことがありました。それは、政治家には、キャンペーン(選挙)モードと、エンフォースメント(統治)モードがあり、それは分けて選ばなければいけない、ということです。

つまり、アメリカ大統領選挙中、というのは、キャンペーン(選挙)モードであって、エンフォースメント(統治)モードじゃないということに注意しないといけません。

トランプさんが言っていることはめちゃくちゃですが(笑)アメリカの中でのある層には、圧倒的な支持を得ています。誤解を恐れずに書くと「白人、男性、低学歴、低所得」です。これらの方の不満のはけ口を一手にまとめ、得票につながっていると、僕は思います。ちょっと怖いことですけどね。

アメリカの経済の強さの根幹は、世界中から優秀なエリートが集まってくる土壌と、そこでのチャンスがあることですが、時間の経過と共に、海外からの優秀な人材によって、それまでの白人中心の社会というのが、現在、どうなっているのかを想像すれば、とてもわかりやすい話かと思います。

経済的な格差というのは、日本の比ではありませんからね。機会(チャンス)の平等がある社会というのは、勝者だけではなく、チャレンジし続けないと、敗者にもなり得ることを内包していますから、それはどうしようもない競争社会という現実です。

多分、トランプさんはそこを知っているのです。だって、TV司会者だったのですよ!メディアの使い方に優れていて、実際にアメリカでは、キャンペーン(選挙)モードと、エンフォースメント(統治)モードに違いがあることは、理解されていますし、そもそも勝たなければ、何も始まらない訳ですから。多分、分かっていてやっているんじゃないかと思います(笑)

よく見て、よくよく非常識な発言を読んでいると、トランプさんはという人は、ビジネスマンですから、リアリストだからこそ、わざとやってるんじゃないか、とすら思います。

これ、経営に置き換えて頂くと、示唆に富んでいると思われませんか? 経営ビジョンと、その実行という風に、読み替えて頂きたいんですね。

 

さて、この話を日本の現内閣総理大臣である安倍さんに、話を置き換えると、さらに、もの凄くよくわかるかも。

 

安倍さんという方も、現役ですから、今後どうなるかわかりませんが、現時点でもその評判が乱高下された方ですよね。思い出してください、第一次安倍内閣の時は、その前の小泉さんから、禅譲されるような形で自民党の総裁を引き継ぎ、内閣総理大臣になられましたよね。とても評判の良い状態で、日本のリーダーとしてスタートされました。

その前の小泉さんという方は、僕が見る限りは「政局」を得意とする政治家です。もちろんいろんな政策は実行されましたが、それはうまく機能しているのでしょうか?だって郵政民営化を見れば、自ずとわかりますよね(笑)あの、揶揄しているんじゃなくて、政局の方が得意だと言いたいのです。

その小泉さんから譲られた状態の安倍さんは、党でも国会でも競争をせず、政権につきましたから、正直言って弱いわけです。だって、強さを見せてないのだから。

そう、様々なキャンペーン(選挙)に勝っていないので、やはり求心力がないのです。禅譲というのは、争わずに権力を移すことなので、問題がないのではなく、求心力という問題がないので、問題が見えないだけで、危機が起きた時に誰も支えないという状況になる訳です。歴史が示しているように、キャンペーン(選挙)という競争に勝つ!という事実や実績がないと、その後の政局運営には支障が出てくるのです。

 

もちろん、これ以外にも様々な要因はあったと思います。体調の問題もありましたし、自民党政権に対する批判なども重なり、安倍さん自身のビジョンである「美しい国」というもの、それほど共感されなかったんじゃないかなって、今振り返ると思います。

そして、第一次安倍内閣は総辞職となり、安倍さんは相当な地獄を見たのではないかと考えます。その後、1年後毎に総理大臣が変わり、いろんな意味で日本の国益が失われた期間を過ごすこととなります。政治家にとって、取り上げられもせず、揶揄される状況というのは、相当に厳しい事だと思いますし、落差が大きければ大きいほど、ダメージも大きいと思いますから。体調もすぐれない中では、どれほどの苦しみがあったのでしょうか、、、

そんな雌伏の期間を過ぎ、民主党の期限が切れ(個人的には、民主党選出の総理大臣の順番が違っていたら、また、違った展開になったかも。野田さんも安倍さんと同じ経験中だから、未来、もしかしますよね)自民党の総裁選を戦うことになる訳です。

覚えていらっしゃいますか?その際の安倍さんは圧倒的な強さじゃなかったですよね。自民党の地方票は石破さんが圧倒的で、決選投票で国会議員の票をなんとか確保して、安倍さんが自民党の総裁選に勝ち、その後、野田さんの解散を受けて、第二次安倍内閣が誕生します。ここで初めて、地獄を見た男の強さを見せることになります。

 

これ、僕も教えてもらったことなんですが、第二次安倍内閣誕生の最大の功労者は、中国だっていう話があります!

「はぁ?」って思われるかもしれませんが、この時期、石原都知事による尖閣諸島への問題提起に始まり、民主党政権が国有化しまして、中国が一挙に外交問題化しまして、尖閣諸島への圧力が爆発していたことを思い出してください。

地方議員になくて国会議員にはある、政治家との視点としては、外交があります(過激に言えば軍事です)中国の外交圧力が強まる中、それまで政権にもいなかった自民党の国会議員はどのようなリーダーを志向したのか、という視点で見ると、結果、中国が安倍政権を誕生させるという要素になったというのは、とても面白い視点ですよね。

 

その後、安倍さんは国政選挙に勝ち続け、今の長期政権になっています。これ以外にも、いろんな要素があることは承知していますが、キャンペーン(選挙)の際に、どちらかというと過激なビジョンを掲げ、しかも、そのビジョンにより周辺だけではなく、海外までも刺激し、競争を勝ち取ったという意味において、第二次安倍内閣の成立は、第一次とは基盤が全く違うことに気がつきます。

第一次では「美しい国」と言っていて、第二次でも一緒なのですが、それを前面には押し出していません。非常のリアリストな側面を打ち出しており、その点が、当時の強いリーダーを求める国会議員に影響を及ぼしたとすると、ある意味、老獪だと思います。

しかもです。その後、政権を取ってからの安倍さん、何かキャンペーン(選挙)の時のようなことをしましたか?

戦後70年談話はいかがでしたか? 歴代の総理大臣の合意を踏襲していますよね。内容的には村山談話以上(笑)です。だから外交的にも何も起きない訳です。

昨年末の韓国との慰安婦問題解決の合意はいかがでしたか? 内容的には河野談話以上(笑)以前の日本政府の立場を踏襲し、さらに外交的には勝ち取っている部分さえあります。

戦争法案とまで言われた安保法案はいかがですか? 今までは名文化されていなかったものを、法律にすることで、制限されたという意味では、今まで以上に自衛権の行使に制限が掛かっています。

それにね、霞が関官僚の方と話をしますと「今までと同じなのだから、今、法案化したとしても、逆に憲法九条との齟齬が出てしまうし、政権運営にとってはマイナスでしかない」という意見が大半で、それでも、支持率が落ちることが分かっていても、行うってのは、状態だし、国際政治のデファクトスタンダードは「先に手を出したものが負け」ですから、自衛権の行使を明確にすることこそ、戦争という手段を使わないための唯一の抑止力なんですね。これ、何も極端なことを言っていなくて、国連憲章に書いていることなんで、それは違う!とか言われても、世界はこのルールです、としか言えません。

 

そう、キャンペーン(選挙)モードで力を見せつけて、エンフォースメント(統治)モードで政策を実行してく。政治に詳しい方と話すと口を揃えて言われるのが、「小泉さんは政局の人だったけど、安倍さんは政策の人だよね」という話です。

現在は、このエンフォースメント(統治)モードですから、不倫議員や、秘書の贈収賄などのスキャンダルがあっても、政権がさほど揺らぎません。なぜなら民意があるからですよね。民意とは移ろいやすいものかもしれませんが、明治以降、大正デモクラシーの時代と、戦後70年を合わせれば、それなりに、民主主義をいろんな間違いをしながらも、取り組んできたのが今の日本です。

1年毎に、総理大臣というリーダーが変わり、揺らいでいた時代から、現在の長期政権に移ってからは、隣国の中国や韓国との外交関係が、多少なりとも改善してきたのは、事実ですよね。

 

こんなことからも、リーダーとして選ばれ、その後、運営をしていくということリーダーシップにはこの2つの側面が必要なんじゃないかと思うんです。

 

まずは、キャンペーン(選挙)モードで、多少ビジョンの誇大さがあっても、あらゆる手段を使って戦い、勝つという実績を積み重ね、それがリーダーとしての支持を得ること。実は、リアリストでも、アーティストでも「ある成果」って事が、とっても大事なんだと思うんです。

その次に、エンフォースメント(統治)モードで、解りやすく、格好の良いビジョン通りではなくとも、現実と格闘しながら、冷静に判断し、確実に、リーダーとして組織、グループ、集団を持続する形になるように運営をしていく。

この2つが必要なのかもしれません。

これって、経営に当てはめると、キャンペーン(選挙)モードに強いのが創業経営者で、エンフォースメント(統治)モードに強いのは後継経営者とも思えませんか? 僕には、そんな風に思えるんですよね。やっぱり両輪、そしてバランスかも。

ちなみに、僕は、とてもとても2つとも無理なので、まずは、一人でできる道をちょっとだけ突き詰めたいと思って、日々を歩んでおります(笑)中国のこと書こうと思ったけど、長すぎるので、また次回に。

The following two tabs change content below.
木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

記事を気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket