企業の目的は継続、そのためには「お金」が必要です

COVID-19こと新型コロナウィルスの経済への影響が出始めています。

僕自身も影響がありまして、セミナーや会合はキャンセルされ、不要不急の会食はNG、出張も基本は自粛となりました。

とはいえ、年度末なので、相変わらず忙しいんですけどね、、

でも、こういった「世間の空気」というのは、いろんなところに影響を及ぼしまして、分かりやすいところで言えば、公共交通機関の利用を避ける事になり、人の移動が起きず、ヒト、モノの動きが制限されますから、カネも動かない、という事になるのですね。

そして、学校での授業の取りやめによって、共働き世帯では就業そのものかできないとか、そもそも雇用をされていないフリーランスや、自営業、零細事業者は、日々の売上への影響が大きく、そうなると「お金」が入って来ませんので、資金繰りに困窮し始めている、という状況なのかもしれません。

 

 

事業を続けるためには「お金」が必要

基本的に、自営であれ、会社経営であれ、サラリーマンであれ、仕事をする目的は何かというと、日々の社会生活に必要なコストを支払うための「お金」を稼ぐことにあります。

特に、フリーランスや、自営業や、会社経営者の場合は、事業そのものが継続されなければ、その「お金」を稼ぐだけではなく、支払うことや、将来の約束事を反古にしかねないので、継続できなければ「社会的な死」を迎えることになってしまいます。

そう、会社の倒産というのは、経営者の皆様が、それまで築き上げてきた人間関係全般に対して「迷惑」を掛けることなので、絶対に避けたいことですよね。

 

人は、社会的な生き物です。法的には認められていても、迷惑を掛けた方は忘れても、掛けられた方は決して忘れません。

「お金」の貸し借りと一緒です。お金を返さない人のこと、絶対に、忘れませんよね(笑)

だから、事業を継続することが、経営者の究極の目的となるのです。

 

では、事業を継続する、つまり、会社を潰さないためにはどうすれば良いのでしょうか?

それは「お金」の残る会社経営をすることです。

 

売上をあげることも、利益をあげることも、借入金をすることも、究極には「お金」が残っている会社の財務状態にするために行うことなのです。

 

経営者しかできないことが「財務」

私の師匠の方々は、この話をごくシンプルに、まとめて伝えてくれています。

「財務」とは何かといえば、誰から「お金」を調達してきて、何に「お金」を使って、いくら「お金」が残ったのか、これを「財務」といいます。

これは、経営者(フリーランスも自営業も、根本は一緒よね)にしか出来ない仕事です。

 

では、まず、経営者がやらねばいけないことは「事業規模に見合った、真っ当なB/S(貸借対照表)を作ること」と説いてくださいます。

 

例えば、売上1億円の会社で、自己資本が3,000万円、他人資本が1,000万円、現預金が1,000万円なら、この会社はいい会社でしょうか?

では、売上10億円の会社で、自己資本が3,000万円、他人資本が5億円、現預金が1億円の会社なら、どちらの会社が良い会社でしょうか?

ね、この事業規模に見合ったって、めっちゃ大事な視点ですね!

 

B/SとP/L

さて、では、財務諸表の中で、経営者のセンスを表し、稼ぐ力を表現しているP/Lの重要性はいかがでしょうか?

P/L(損益計算書)は、経営者だけでなく従業員やステークスホルダー、取引先や顧客という様々な要素が絡みますし、経営者だけで作れるものではなかったりします。

もちろん、利益を出すことは大事ですよ。

この利益(当期純利益)がB/Sの繰越利益剰余金に繋がっているわけですから、当たり前ですが利益を出すことは大事です。

P/Lからの時間の経過を経た利益が、B/Sに反映されるわけですからね。

 

でも、本質的に大事なのはB/Sなのです。

 

そしてB/Sを簡略化して言えば、右側が「お金」をどこから調達してきたのか、ですし、左側は、その「お金」をどのような形にして使ったのかという運用を表しています。

そして、右側をさらに分解すると、負債の部では他人からの調達を表していて、純資産の部では、当初からの出資金である資本金と、税金を払った後の利益である繰越利益剰余金という自分での調達を表しています。

そして、それを商品を仕入れたり、機械を買ったりして使って、残った「お金」が現預金になっている。これを表しているものだからなのです。

決算期を重ねるごとに、本来であれば「お金」は残るはずなのです。

 

財務諸表とは関係のない、資金繰りという問題

さて、ここで問題なのが、固定費と呼ばれる毎月、何があっても支払わねばならない「お金」です。

販売費及一般管理費と呼ばれるもので、人件費などはその代表ですし、借入金の返済や、買掛金の返済など、支払わなければいけない「お金」があります。

これが支払うことができないと、どうなるのでしょうか?

支払い先に、めちゃ迷惑かけますよね!

それが続いたら、信用ってなくなりませんか?

 

そう、これが続けば、資金繰りの悪化による、倒産となります。

事業は赤字であっても「お金」があれば、事業そのものは、継続できるのですから。

 

今できることは、手元資金を、そう「お金」を増やして持つこと

今、COVID-19新型コロナウィルス問題で生じているのは、急激な売上減です。

つまり、売上という形で見込んでいた「お金」が入ってこなくなっている状態です。

こんな状況に備えて、経営者は本来なら、日頃から自己の報酬を高めることで、個人で「お金」を貯めて置き、緊急時には資金繰りに使う、ということなのでしょうが、なかなか、そうはいかないですよね、、、

であれば、他人からの調達をする、まず「お金」を手に入れて、事業の継続性を担保し、危機が去った後にリカバリーする、これしかないのです。

 

と、こんなことは経営者の皆さんなら、百も承知かもしれませんが、であれば、早めに借入金を手当てしておく、これこそ、経営者の方しか出来ないことかもしれません。

政府も緊急経済対策の第一弾、として、セーフティネット保証や、貸付、助成金など様々な対策を行うことを決定しています。

https://www.chusho.meti.go.jp/corona/index.html

この中のセーフティネット保証は、簡単に言えば、保証協会枠の無担保8,000万円を、さらに別枠で8,000万円設定しますよ、という対策です。

 

中小零細事業者ですと、保証協会枠いっぱいまで借入金がありプロパーでの追加の借入金は難しい、という場合もありますが、その枠が8,000万円広がった、ということです。

それぞれの事業者の所在地の地方公共団体経由での申し込みであれば、金利優遇も考えられますし、今後は、この金利分の政府負担や、元本返済の猶予など、様々な手が打たれると思いますので、まずは、取引金融機関に話をするなり、動くことが大事です。

 

あ、それと、こうなると、取引のない金融機関が飛び込みで「借りれますよ」って言ってくるかもしれませんが、こういう時にこそ、今、取引のある金融機関で借りてあげて下さいね。

いつもはプロパーだけど、いつも金利下げろって言っているけど、本当に雨が降っている時に傘を指してくれる金融機関というのは覚悟をしています。日々の入出金をウオッチしながらね。

そういう金融機関に、金利ちょと高くても、保証料かかっても、プロパーでフルにリスクとってくれている金融機関をねぎらってあげてください。

商売とは「三方よし」の関係性ででなければ「継続」出来ませんからね。

いつも取引金融機関を比べて、金利値引きしろとか言っているところには、雨の日に傘を差し出す人はいないのです。

商売って、何がどうなろうと、人の関係性が全くゼロにはなりませんからね。

 

あと、こういう状況では、外部積立の活用、という事も「お金」を調達する手段のひとつかもしれません。

外部積立の代表例が、法人契約での解約返戻金のある「生命保険契約」の解約返戻金を使うことや、契約者貸付を活用することですね。

僕のお客様は、ご理解頂けますよね。

お手元には、決算期毎に「解約返戻金」と「契約者貸付可能額」をお知らせしていますから、いつでも「お金」の調達ができることを。

しかも、こんな情報もありますよ。

生保が資金繰り支援、金利ゼロで貸し付け コロナ問題で契約者に

僕ができることは、大してありませんが、少しでも参考になればと思います。

いろいろあるけど、今できることに取り組みましょ!先を見ると不安になるから、まずは、足元をと整えるのが、いいと思うんですよ。

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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