経営者の皆様が、新型コロナ禍の今すべき事は、手元現金を増やす事

令和2年4月7日の日本国政府による緊急事態宣言によって、僕自身はフルコミッションの身でありながら5月6日までの営業停止(僕、会社員なんですけど事業所得なので、固定給ってないんですよ、つまり、フリーランスで仕事がない、ということと同義語なんです、マジでまいったな…)となりました。

 

そして一切の面談の自粛という業務命令を受けており、電話・メールによる発信か、郵送での手続き以外はできない状態にありまして、結果、時間はできましたのでブログをちょっとづつ書いていこうと思います(笑)

 

お客様方と連絡を取り合っていると、僕のブログを楽しみにされている方もいらっしゃるみたいなので♪

 

状況的には自宅待機(自宅謹慎w?)なので、宿題で事前に頂いているデータや数字のまとめを行っていますし、そういう意味では分析と資料作りに没頭できるチャンスでもあります。ということで、僕の時間は多少空いていますので、新規のご相談はチャンスでございます(笑)

 

新型コロナ禍の今、まずは現状確認から

新型コロナウイルスにより引き起こされた経済危機の本質は、経営資源であるヒト、モノ、カネのうち、ヒトが動かないことで、GDPに占める最大のカテゴリーである「消費」が急激に落ちている事にあります。

ひとことで言えば「需要の消失」です

金融システムの信用不安が原因だったワールドクライシス(通称リーマンショック)とも違いますし、物理的なインフラやサプライチェーンが破損した東日本大震災とも違います。

日本の場合、消費はGDPに占める割合が約7割と大きく、ここが急激に消失したのです。消費とは内需だけでなく、インバウンドと呼ばれる外需も同じで、ヒトの移動や行動がなければ、消失してしまいますね。

 

もちろん、一部の生活必需品には需要はありますが、多種多様な価値を選べる選択肢はなくなり、付加価値の高い高額商品などは、ヒトとの関係において決済がなされてきた訳ですから、経済そのものが急激に悪化するのは、しかたがない事といえます。

 

言葉を恐れずにいうと、今まで流れていた「お金」の流れが止まる。そう、経済の「血液」である「お金」の流れがめっちゃ悪くなる、という事なのです。

 

だから、経済の血液である「お金」を手元に持つ事、これが大事なのです。

人の身体と同じです。血液が流れなければ、血液が足りなければ、人は死にますから、企業も同じで「お金」が流れてれば、多少足りなくてもなんとかなりますが、「お金」がなければ、、、という話です。

 

緊急経済対策の問題点

さて、その緊急事態宣言とともに打ち出された「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」ですが、どうも「遅い」「足りない」「分かりにくい」と何かと評価は低い印象を受けます。

 

また、営業自粛の要請と休業補償がセットになっていないのに、多くの真面目な日本人は、人との接触を減らし始め、休業要請の対象外のお店も自主的な休業を始めていますね。

 

命はもちろん大事ですが、営業自粛とは自らお金の流れを止める事です。僕は、本当にそれで大丈夫なのか?とても不安に思います。

 

事実、この休業要請との関係で、国、東京都、その他6府県の足並みの乱れも表面化しています。また、その内容も、日々刻刻と状況が変化していますので、経営者の皆様は、判断に迷われることが多いのではとお察しいたします。

 

特に、東京都が協力金支払いと引き換えに国を押し切り休業要請を公表したのは、皆さんご存知の通りで、地域によって判断が変わってくることや、その「協力金」の受取時期や金額の大小によっては、企業を継続させるための資金繰りに大きな影響ができることなど、本当に判断を迷うことが多いのではないかと思います。

 

だからこそ、ルックスルーして、生き残るためには「本当に必要なのは何なのか」を、ご自身で考えて、ご自身で判断して頂きたいのです。今までの危機の時もそうでしたが、判断は正解だっかのかどうかは、ご自身の事業が「継続」できたかどうか、この一点ですから。

 

緊急経済対策は、2つのフェーズに分かれています

さて、今回の緊急経済対策は、「事業規模108.2兆円」「うち財政支出39.5兆円」と史上最大の規模になるとのこと。

 

また対策としては「緊急支援フェーズ」「V字回復フェーズ」とフェーズを2つに分けて、「感染症拡大防止と医療提供体制の整備及び治療薬の開発」「雇用の維持と事業の継続」「次の段階としての官民を挙げた経済活動の回復」「強靭な経済構造の構築」「今後への備え」の5項目を柱にしています。

 

とはいえ、俯瞰してみると、総額108兆円とは、ドル換算での1兆ドルの一種の語呂合わせ(苦笑)であり、真水は19兆円に過ぎないとの評価も広がりつつあります。

 

雇用維持・事業継続に関しては、中堅・中小企業、個人事業主、世帯に対する「給付金」の「条件が分かり難い」「範囲が狭過ぎる」との批判が高まってますし、経済活動の回復に関しては、「お肉券、お魚券」案(結局消えましたが筋悪すぎw)や「GoToキャンペーン」のネーミングが、失笑をかっちゃっています。

 

大切なのは、今は「緊急支援フェーズ」なので、今の瞬間をどう乗り切るのかに集中する、これに尽きるのです。今、本当にできることは何か?あまり先は見ないで、まず、今月の資金繰りを徹底的に考える、その場合、使える緊急経済対は何なのか?ここが大事なのです。

 

経営者の皆様は、どこから手を付けるのがいいのか?

だからこそ、経営者の皆様に伝えたいのは、こういったご自身では如何ともしがたいことに、思考や判断を持っていかれるよりも、事業の本質的な目的である「継続性」を守るために、何としてでもご自身の事業の資金繰りに注力頂きたいのです。

 

なので、僕としては、緊急経済対策全体についての解説なんぞををするよりも、本当に皆様に必要な「資金繰り対策」というポイントに絞って、今般の対策について説明をしてみたいと思います。

 

新型コロナウイルス騒動前

ある飲食店の事業が、1会計年度で「売上100、固定費30、人件費30、変動費30」の業績を、恒常的に上げるビジネスモデルであると仮定します。

 

飲食店というのは、概ね粗利率70%ですから、イメージしやすいかなと。

 

そして資金繰りについては、日々入金があった飲食業という業種の場合、自主休業によって入金が途端になくなりますので、今、そこにある危機なので、このケースで考えてみたいと思います。

 

この事業の場合、1会計年度では、10の利益が出ます。

 

分かりやすくするために、税金や配当が無いと仮定して話を進めますが、その場合、10を毎期、内部留保として積み上げることが出来というイメージです。事業を継続するために大事なのは「現金を残す経営をすること」でしたよね。

 

ということで、キャッシュフローで考えると、期を跨ぐ支払い(買掛金)や、受け取り(売掛金)がないものとすると(そして厳密には、減価償却費を0として無視して考えると)100の現金が入り、90が出て行き、10が手元に残ります。

 

つまり、仮にこの業績が5期続くとすると、50の内部留保(繰越利益剰余金)と、50の手元資金(キャッシュ)が残ることになります。

 

新型コロナウイルス騒動勃発

で、今般の新型コロナウイルスの影響で、売上が0に急減したとします。というか休業自粛ってこういうことですよね。

 

単純化するため、すぐに事業を止められたので、変動費は0に抑えられたとします。でも、従業員さんの生活を守りために、雇用は維持したとします。

 

売上0、固定費と、人件費の合計は60、とすると差引き60の赤字になります。

内部留保を食い潰してしますので、B/Sは10の債務超過となります。

そして、キャッシュフローでは、60の支払いが必要ですが、手元資金の50では払い切れないので、資金繰りに詰まります。

要は財務面、そして、キャッシュフローという資金繰りの両面で、この飲食業は破綻してしまうのです。

 

ですから、この破綻を取り敢えず防ぐため必要なのが「資金繰り支援」となります。

 

今必要なのは、足りない資金繰りを回すための「お金」の調達

もし仮に、①誰かから10借りることができて、②B/Sが債務超過にもかかわらず、破産手続きを避けることが出来れば、この企業は存続できるのです。

 

そして、従業員さんの雇用も維持されます。

 

企業が倒れると、オーナーだけの問題で済みません、、、雇用が無くなるということは、従業員さん方の生活や、その家族など、社会を支える消費者全体の問題になるからなのです。

そう、社会全体の問題に拡大していくのです!

 

でも、消費の落ち込みは簡単には戻らないはず

でもね、残念ながら翌期も同じ状況が続くとしたらどうなりますか?

上記と同様に、60の赤字、60の資金が不足します。

そして、ここでも誰かから60借りることが出来たとします。

すると借入れが70に膨らみ、債務超過も70になりますが存続できます!

そして、雇用も維持されるのです。

 

翌々期に、経済が戻ったとすると

で、このように耐えたとして、新型コロナウイルスがようやく治療薬やワクチンの開発により、医療崩壊が避けれるるようになり、経済状態が元の状態に戻ったと仮定した場合、その飲食業はV字回復を果たし、売上が100に戻るとします。

ただ、これは、めっちゃ希望的な観測ですが、、、

 

そうすると、結果、黒字で10、キャッフローである手元資金も10増えます!

 

よって債務超過が60に減少し、借入れも10返済できるので60に減ります。

 

そして、これがその後6期続けば、債務超過が解消され借金も無くなります!

 

そして、更に5期をそのままのビジネスモデルの収益率を維持できれば、元の姿に戻るのです。

 

どうですか?これは、グッドケースではないでしょうか?

でも、時間がかかる事にも気付いてください。

 

必要なのは「信用創造(借入金)」の供給を受けて、時間を買うこと

ただしポイントがあります。

 

これを実現するには、くどいぐらい繰り返していますが、大前提として「無利子・無担保で、気前よく即座にお金を貸してくれて、かつ、借り手が債務超過でも目くじらを立てない」という貸し手の存在が不可欠なのです。

そんな金融機関は、平常時の経済状態でありますか?

 

また、もうひとつ重要なポイントがあります。

元の事業の状態に戻るには、かなり長い時間を要してしまうことが分かりますよね。

同じ業態であれば、急に粗利率を上げるといったことができない、いや、現状維持だって大変なんだ、という事も分かります。

 

だからこそ、まずは借入金を使って時間を買って、別途、国や地方公共団体からの給付金や協力金、補償金などを受け取れば、あるいは雇用調整助成金を受け取ることが出来れば、時間がかかる回復プロセスがを早める事ができるのです!

 

もっと財務的に言えば、債務超過額も減るし、借入金の総額も抑制する事ができる、そのために給付金や協力金、補償金などが準備されているのです。

 

確かに、給付金や雇用調整助成金の話はとても重要です。いくらもらえるのか、いつもらえるのか、という話なんですが、僕は考える順番が違うと思うのです。

 

赤字であっても「資金繰り」ができれば会社は潰れない

もう一度、前の文章をじっくり読んでみてください。

 

まず必要なのは「資金繰り」なんですよ。

 

資金繰りが詰まると、上記の例でいうと、最初の10を借りることができない限り、その事業はそこで終わりだからなのです。

 

この状況を、貸し手である金融機関の視点から考えてみてください。

金融機関は、通常であれば借り手のリスクを考えて与信を判断します。

これは至極真っ当なことで、批判できません。だって、金融機関の「お金」は金融機関のものではなく、僕たちの「預金」だからです(笑)勝手に貸されても、困りますよね!

 

でもね、今般の経済状況で、この通常の手続きを金融機関がしてしまうと、貸すことは出来ないのです。。。

だって、①債務超過の会社にお金は貸せませんし、②売上がいつ回復するなどという不確実性が、極めて高いからです。

 

今回の一連の緊急経済対策では、①政府系金融機関である日本政策金融公庫を通じて、あるいは②地方公共団体の制度融資(セーフティネット融資)を民間金融機関を窓口にすることを通じて、①と②のリスクを、民間金融機関ではなく、国や地方公共団体に負わせることにより、実質無利子・無担保の融資を素早く実施することを目指しているのです。

 

そして、この段階においても、2つの論点があります。

ひとつは「本当に素早く融資できるか?」ということ。

 

給付金や雇用調整助成金を含め、わが国はとても丁寧で間違いが無い手続きを重視する文化です。

今回のように融資窓口に企業が殺到すると、さばき切れず、何日も待たされる事態が現に発生しています。

私の知人のレストラン経営者も、金融機関窓口の混み方の酷さや、用意する書類の煩雑さを嘆いていました。

 

でも、手元資金が尽きると即倒産、それを防ぐことが出来るか、まさに今の行動が問われているのです。

この話、海外を持ち上げる人は多いけど、米国でも、同じような初動段階で、問題が起きているのですよ。

 

まずは生き延びる事、そして変化する事も忘れずに

そして、もうひとつは、金融システム安定との関係です。

上記の例では、2期後にV字回復を果たすことを前提にしています。

しかし、V字回復の保証はどこにもありません。

 

例えばインバウンドの観光客は戻ってくるか、以前のように人々は旅行をするのか、高級クラブや風俗店やパチンコ店に人が集まるのか、誰も予想できません。

 

日本の場合、実質無利子・無担保融資のリスクは「官」が負ってくれますが、今回の場合、時間を優先して企業との関係性の深く、守ろうと考えているメインバンクなどの金融機関は、自らのリスクで融資を行うこともありますから、リスクが将来顕在化する可能性があります。

このタイミングで金融機関にどう扱われているのかでも、皆様の事業が、第三者にどう見られているのかを知る、よい機会かもしれません。

 

また、信用リスクの観点とやや離れますが、長期的にはインフレ傾向にあっても、感染症問題解決直後は、デフレ進行の可能性が高まります。

更なる超低金利の持続ということです。しかも日本に限らず世界中で、、、これは金融機関の体力を蝕みます。

そして、本当にインフレが来た場合、持つものと持たざるものとの差は急激に拡大し、社会は不安定になるでしょう。特にSNSによって可視化された世界では、今でも「コロナ警察」と揶揄されるような、他人の行動を監視するような風潮もあり、気になるところでもあります。

 

さらに、日本はこうですが、世界を俯瞰した場合、例えば欧州で信用リスクを「官」が負ってくれるのでしょうか?

イタリアにその力が残されていると思いますか?他のEU諸国が助けてくれるのでしょうか?大きな問題ですよね。

 

先週、EUの閣僚レベルで議論が行われていましたが、とくにオランダの反対で支援策が完全にはまとまらず、首脳級の会議(テレビと思います)に結論が持ち越されたようです。

また、中央銀行が世界中で強力な政策を推し進め、市場は一旦安定化していますが、先行きが見通し難いのも、こうした点の不確実性が払拭できないためです。

 

暗澹たる気持ちになるかもしれませんが、感染症による影響というのは、歴史的に考えると、その後の不況を招く事になります。

でもね、21世紀の資本論の中で、トマ・ピケティさんはr(資本収益率)>g(経済成長率)の時代では格差はさらに進むことを説いたのですが、その中で、持たざるものが持つものへ変化できる時代を、データで解説しています。

それは、戦争、革命、自然災害、そして感染症爆発です。経済の構造や秩序、価値観の激変は恐怖をともなうチャンスであるかもしれません。

 

大層なことをいうつもりはありませんが、今こそ、ご自身の足元の現状確認をして、本当に事業を存続させるためには幾らの利益が必要なのか、また、その利益はどのような構造で産み出されるのか、そしてその場合の本当の利益率とはいくらなのか、、、

まずは資金繰りで「借入金」を調達し、生き延びて頂き、その買った時間で、ご自身のビジネスモデルの検証をし、変化を伴う将来への投資を行って頂きたいのです。

 

だって、今はチャンス!とおっしゃっている経営者の方々はいらっしゃいますし、僕が伴奏してきた方々からは、ざっきー、チャンスだよねとおっしゃって頂きます。

 

「現状維持は死」とおっしゃっている尊敬している経営者の方も、今できることやる!といって、助成金・補助金などを当てにせず、この段階で設備投資をされ、完全テレワーク体勢にされました。本当にすごい胆力で流石です!

 

そう、生き抜くための数字に根拠した処方箋はありますし、現金の残る経営を進められていた経営者の方からは、やっておいてまずはよかった!と言われます。僕も嬉しいですし、数字に準拠した経営を行うことは、間違ってはいないのです。

僕の場合も、こちらのアドバイスを中心に据えて、仕事のあり方を変えていくのかもしれません。

 

そして、ちょっと思うのですが。

そもそもウイルスというのは、生物の遺伝子を刺激し、生物の進化に影響を及ぼしているといわれています。

生物とはいえず、タンパク質と遺伝子だけの存在は、なぜ自然の中にあるのか?もしかしたら、地球上の生態系そのものに変化をもたらす為に、こうなったのかもしれませんね。人の創り出した社会は、自然の中の一部でしかないのだし。

 

だとすると、もう、人の手には負えませんから(笑)今できることをするまでですね!やれることをやりましょ!

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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