アメリカでは分断が進行中、IT環境は進化したのに、人は分かり合えないの?

昨日は参議院選挙でした。結果は当初の予想通りで、実は、調査にもとづく統計データというのは、ある程度、結果を予想することができますが、前提条件が変わったり、事件や事故が発生したりすると、その精度は落ちてしまいます。ITというのは道具、使うのは人です。

実際のところ、最近特に気になるのが、SNSの弊害かとも思うんですが、自分の嗜好にあった情報のみを受けるように、知らず知らずのうちにしてないかな?ってことです。そんな時に、ちょっとした自分が望まない状況が発生したりすると、めっちゃ、慌てることになります。

 

例えば、僕の遊び場は渋谷ですが、二度ほど、選挙フェスという街頭演説に出会いました。

 

まあ、いろんな方がお客様にいらっしゃるし、それこそ、政治信条の自由は民主主義の根幹ですから、そうゆういろんな方の意見として、選挙フェスという用語の拡散、これによって、僕も知ったというのはいいことなんだと思います。

そして、その選挙フェスの盛り上がりを、SNSでは拡散されている方も多数いらっしゃったのですが、僕が、現場で見る限りは、サッカーの代表戦よりも盛り上がってはいないし、ハロウィンほどの一般人の巻き込まれ感はありません、、、

そう、本当の参加者はどれぐらいなのちょっと気になってぐらいです。参加者の多くは、実に組織化された方々なので、これは動員された方だなと、なんとなくわかります。その方々と、本来の参加者の方の温度差や、その場でのノリの違いをみればわかりますよね。

そう、音楽のフェスで、会場全体が盛り上がって、サークルピットなどが登場するには、場の一体感がとても大事です。有名なバンドだからおきるという訳でもなく、仕掛けておきるものでもありません。

人の集団化したパワーってのは相当凄いんですね、良くも悪くもですが。

 

そのような、バーチャルじゃなく、リアルに現場を体験すると、感じることがあります。そう、選挙フェスの場合、陰謀論でもなんでもなく、SNSで言われるほどの人数でもない以上、マスコミの取材対象にはなっても、報道対象になるかどうかは、別物ということですね。

泡沫候補である以上、マスコミの報道バイアスがかかることは、仕方がありません。

この話、選挙の結果をどうのこうの言っているわけじゃなくて、選挙フェスの方よりも、無所属で組織もなく選挙をされた方のほうが、結果、得票数が高かったことを見ても、SNSの弱点だと思うんだけど、自分の嗜好性の強い情報だけを受けているのは、ちょっとリスク(不確実性)があるんじゃないのかなって、、、

例の英国のBrexitの話も「離脱した後に何が起きるのか」という情報を、事前に得ていなければ、冷静な判断はできませんよね。

ソーシャルネットワークでつながることは、とてもいいことなんだけど、この同質化とか、異なる意見の排他性ってのは、ちょっと気を付けたほうがいいと思うんですよね。

 

もう一度言いますね。

調査にもとづく統計データというのは、相当の変化がない限り、ある程度読むことができますが、前提条件が変わったり、事件や事故が発生したりすると、その精度は落ちてしまいます。

前提条件の変化を読み切れなかったのがBrexit、ですし、実はアメリカで起きているルイジアナ乱射事件は、その後の白人警察官を狙い撃ちで元軍人の黒人が殺害する、というとんでもない事態になっており、、、

これはちょっと、ゆゆしき事態です。

これは、ブラックスワンの要素があります。

 

日本では、それはしょうがないんだけど、参議院選挙の報道ばかりの裏で、アメリカでは、大変な事態が進行中です。

今日は、この、あまり関係がなさそうな、興味がなければ取りにいかない、そう、報道バイアスのかかっている、アメリカの現状について書いてみます。

 

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ざっきーです。経営者専門の保険屋さんです。マスコミじゃないし、ただの保険屋だけど、リスク(不確実性)からお客様をお守りするのが仕事、今の時代は、ちょっと先の予測は可能だから、情報をちゃんと伝えるのも仕事だと思っています。

 

さて、このルイジアナでの事件の発生より前から、オバマ大統領は銃に関しての規制のメッセージを数多く発信していました。

そして、なんと!事件発生の前日に、アメリカに根強く残る人種偏見について、かなり踏み込んだ発言を発信していました。

これは、全米のテレビでも、全米向けに放映されたもので、ニュースになっていて、そのメッセージの中で、白人警官による差別的取扱いについて問題があると指摘し、これは事実だと伝えたわけですね。

 

その翌日、今度は白人警察官をターゲットにした殺人事件が起きたのです。

しかも、黒人の人種偏見に対する抗議デモを安全に行うために、、、つまり、黒人である彼らに、危害を加える奴が、出ないようにと警備していた白人警官を、狙い撃ちにしたのです。。。

もうこうなると、アメリカは完全に分断されてしまいます。

 

リスク(不確実性)としてはあり得る話ではありましたが、実際には、起こり得ることはないであろうと思われた、「白人と黒人の対立」という究極の騒乱が、あちこちで起きることになることになります。これこそが、ブラックスワンですよ。

 

そして、そのたびに、オバマ大統領が規制を掛けたかった「アサルトライフル」つまり、反動が少なく、精度が高く、ジャミングしづらく、口径が小さく、人を殺すのにもっとも使いやすいライフル。

スーパーマーケットで売られ、弾倉のマガジンも、ミネラルウォーターのごとく、箱ごと売られているアレです。これが、飛ぶように売れています。そう、Kマートや、ウォルマートで売れてるんですよ、、、

いやあ、株式市場を見ている僕個人の立場は、チャンスがあるのかもしれませんが、胸糞の悪い嫌な状況です。この現実を少しでも知っていると、もの凄い虚無感に襲われますよ、、、

 

ああ、このままいけば、次期大統領選挙も、間違いなくこの構図の中で戦われることになります。

トランプは白人の価値観を体現する候補者として、持ち上げられる恐れが十分あり、アメリカは、完全な分断の時代に入ることになりますが、これは一大事です。

我々日本人は、こうゆう時こそ、人種的な偏見が相対的に少ないことが、アメリカ社会では知られていますので、何らかの声明なり、分断を避ける方向に努力する、いい機会なのかもしれません、そして、名大統領として歴史に刻まれるオバマ大統領の任期のうちに、何が何でも銃規制の法案を、この機会に強行しなければなりません。

これ、尋常な状況じゃないっす。

 

ご参考までに、オバマ大統領の発言がこちらです。アメリカ初の黒人大統領の発言です。ぜひ、訳してみてください。

 

僕なりの意訳を書き添えます。「According to various studies –」から、先の部分です。ざっきーの訳だから、ちょっと間違っとるかもしれんけど、雰囲気は伝わると思います。

 

いろんな、何年にもわたる広範な研究によって、このような事実が知られています。

 

アフリカ系アメリカ人は、白人より30%以上も多く警察に職務質問をされやすく、アフリカ系アメリカ人及び、ヒスパニックの人たちは、白人の3倍もの人が尋問を受けます。

そして、昨年、アフリカ系アメリカ人が警察によって撃たれたのは、白人の2倍に相当します。

さらに、アフリカ系アメリカ人は75%以上もの人が、必要以上の過剰攻撃という口実で、起訴されています。

そしてさらに、白人に比べると、同じ犯罪でも、刑期が10%長くなっています。

 

その結果、全米の30%しかいない、アフリカ系アメリカ人及び、ヒスパニックの人々が、刑務所人口の半分以上を占める状況にあります。

 

これらはすべて、事実です。

そして、この様なことが起きるたびに、あたかも肌の色によって市民権が脅かされ、同じように扱われていないということになります。

それは、すべての国民にとっての問題であって、肌の色が黒いとか、ヒスパニックだという問題ではありません。

これらはすべての、アメリカ国民にとっての問題なのです。

 

以上、意訳終わり。

 

どう思われますか?

一国の大統領たるものが、世界最大の国家の代表者が、この21世紀の今、こんなステートメントを出さなくてはいけない状況って、、、もう、悲しくて泣きそう、、、

 

これを全国放送で、知らしめなければならないという現状を、まじで考えなきゃダメじゃないかなって、、、

 

日本だって、ここまでの事はなくとも、異質なものを攻め、同質化を進め、少数意見を尊重しない、お互いを攻撃し、嗜好性の高い情報のみを選択していく、この先には何かあるのでしょうか?

 

今、アメリカで起きていることは、公民権運動に始まった、憎しみの連鎖を断ち切って、傷付つきながらも何とか進めてきた50年にもわたる人々の努力を無にすることです。

ほんとにぶっちゃけるけど、FRBの利上げがどうのってもんだいじゃねよ!

 

もうさあ、人はぜーんぶ違うんだから、分かり合う事が出来ないなって思うなら、相手にマウントしないで、まずは、相手を尊重して、その上で、僕はこうします、だけでいいんじゃないのかな。

本当に、めちゃブルーだわ、先週末、ニューヨークダウが上げたとかじゃねえよ、選挙に勝った負けたじゃないよ、自分の主義主張が通らないとか、何かが違うとか、それは間違いとか、そんなこと、そもそも自分と他人は違う事を認めようよ。

 

僕は自分に言い聞かせます、できる事はそれぐらいだけど、できる事をしなきゃやね。ああ、落ちはありません。本来、人が分かりあうためのいろんなツールや、ネットが、対立や分断の発火剤になっている、こんな悲しいことはないよね(泣)

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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