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BCPを実行する状況で、同時に経営者にして欲しいこと

2016年4月14日と16日に、熊本県を中心に大分県にもまたがる地域を襲った、熊本地震によって被災された方々への、お悔やみを申し上げますと共に、一刻も早いご回復をお祈りいたします。

また、この震災によって、熊本県や大分県における様々なサプライチェーンは、現時点でも機能を停止しているところもあります。物流の回復とともに、少しづつ復旧してきていると聞いてはおりますものの、工場設備や、倉庫設備などに、直接、間接的に損害を受けた場合には、復旧までの相応の時間が必要となります。

この場合、設備に対す復旧の投資だけではなく、人材の確保や、資材の確保、商取引の継続の調整などなど、やることは山積みですが、僕のお客様から、東日本大震災のあとに伺ったのですが、経営者がやるべきポイントは、2つある、ということでした。

一つは、BCPを事前に準備をして、あるなら、粛々とこれにそって感情をコントロールしながら、復旧を行う事。

そして、二つ目は、何をするにも必要な「資金の確保」です。

 

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ざっきーです。経営者専門の保険屋です、大好きなお客様にお節介を焼いて、その方に事業の価値向上に貢献して、リスク(不確実性)から、経営者の皆さまをお守りするのが仕事です。

 

震災というのは、まさにそのリスク(不確実性)ですし、単純に保険でヘッジできるものではありません。

総合的に、価値を生み出し、人々が集う会社という仕組みを、不測の事態によって滞らせないためには、地道な、こまごまとした、日々の準備が必要となります。

 

BCP、つくってますか?

東日本大震災によって起きた、その後の経済的混乱からの教訓で、BCP(事業継続計画)の策定を、経済産業省や中小企業庁などが推進し、大企業では約7割、中小企業でも25%の企業が、BCPの策定をされている状況です。

 

BCP(事業継続計画)とは

企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、

事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続、

あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や、

緊急時における事業継続のための方法、手段などを、

あらかじめ取り決めておく計画のこと。 突然発生する緊急事態に備えます。

 

すいません。教科書的な解説ですが、このような行動指針を取り決めておくというのは、突然の災害によって、その時に考えるのではなく、すぐに行動に移す、もっといえば、何も考えずに行動だけを、粛々と行っていくことで、心理的ダメージからの回復も早め、判断できる時までの時間を有効に使い方法なのです。

マニュアルや予行演習などのトレーニングが、なぜ必要なのかというと、あまたが真っ白でも行動する事によって、不確実性というブレ幅を、最小限に抑える事ができるからです。

 

だから、BCPってのは、新たに計画を準備するものではなくて、まずは、日常の基本行動を落とし込み、その一部動かないとこを仮定した時に、何から取り組んでいくのかを、事前に決めておくことなんですね。

この、「冷静な時に考えておくこと」ってのが大事で、しかも、読んで、実行するだけ、というところまでの落とし込みというのは、なかなか日本人がしにくいことなんです。得意じゃないですよね、言われたままに切り捨てて、慮らず実行するなんてこと。

 

だから、Aがだめなら、B、BがだめならCって決めてても、Aに悪いなとか、Bだとちょっと心許ない、とか、雑念が入ります。そうじゃなくて、決めておく。

しかも、いつ起こるのかわからないことのために、日常の時間を割けないので、なかなかできない、という実情もあるようです。

 

まるで、「急ぎじゃないけど、重要な仕事」という第三象限のタスクなので、中小企業の場合、経営者ご本人が、ご自身の時間を費やさないと、実際に使えないプランである事も多いようです。

僕のお客様から聞いた話では、実際に予行練習でやってみたら、行動指針が具体的でなかったため、予想以上の混乱が生じ、これはもう、マニュアルレベルまで落とさないと、訓練でもできないから「仏像掘って魂入れず」になりかねないので、要注意なんだ。という事を教えて頂いたこともあります。

 

とはいえ、このBCPって、災害発生前じゃないとダメなので、現在進行形で被災された方々には、二つ目の緊急時の資金調達について、ご参考になればと思います。

 

緊急時に資金を準備するのが、金融機関の役目

金融機関が、存在する理由は、信用創造を行って、必要な方々に信用(クレジット)を提供し、資金を融通する事ですよね。震災などの緊急時には、日常の信用だけではなく、国としても「災害救助法」や「激甚災害支援法」というものを使って、政府の信用を使う事で、資金提供ができる枠組みになっています。

でもね、これを被災された皆さんが、調べて、検討して、依頼して、ってのは至難の業ですよね。だって、緊急事態なんですから。

だから、取引のある銀行に、連絡を取って、災害支援法や、激甚災害法での資金調達の手段は何があり、皆様の会社だと、何が直ぐに利用できるのか、問い合わせる事をお勧めします。

 

特に、今回の場合、災害地に事業所や工場があり本社は東京、などという場合、有能な銀行員は、そんな事言われなくても、事前に調べたり連絡をくれますが、何せ、基本的に銀行員は忙しいので、連絡を入れたほうがいいのです。

だって、これ、銀行員からすれば、ビジネスチャンスだから。

それと、3か月から6か月の販管費の合計額と、銀行借入金の同じ期間の返済額を算出しておいてください。その合計額のキャッシュが準備できれば、当面は資金繰りを、頭からは外して、その他の復旧作業に集中することができます。

 

実は、ピンチの時は、できる事から解決していく、積み上げ型のタスクプロセスをすれば、心も少しづつ落ち着きますし、自信も戻ってきます。経営者の皆さんはリーダーですから、落ち着いているように見える事は、物事を上手く回復させる方法として、とっても有効ですからね。

 

そして、銀行以外の、証券、損保、生保に連絡をして、現時点で会社の資産価値はいくらあって、何を保障していて、キャッシュ化する場合の可能額と、手続き方法、その掛かる時間を確認してください。

証券会社によっては、有価証券担保の融資もあるでしょうし、生命保険契約であれば、解約返戻金を担保とした契約者貸付金制度などの活用が考えられます。

本当は、こんな連絡は「金融機関の担当者の方からすべき」なのですが、ほとんどなされません。ごめんなさい。そんな現状ではありますが、文句を言ってても、何にもいいことないので、まずは問い合わせを。

 

普段から、月次を共有し、資金需要がなくても銀行担当者との連絡をきちんと取り、そして、いざという時に、銀行から見て「融資提案のチャンス!」となるような行動をされてますと、本当にスムーズに信用創造がされます。

まあ、そのためには、利益を重視して、自己資本比率が高くすることなんですけど、、、そもそも、手元キャッシュが準備されていますから、それらと合わせれば復旧作業に集中ができます。この、集中できるってのが、大事なんですね。

人がお亡くなりになった時に、なぜ、法要があるのかというと、それは宗教ではなく、生活の知恵じゃないかなと思うんですね。

突然の悲劇に心が壊れないよように、儀式や、やらねばならない事がある事によって、頭だけで考えないで身体を動かしながら、少しづつ前に進めていくといった、先人たちの知恵だったような気がするんです。

 

僕はいろんな会社さんを担当していますので、肌感覚でわかるんですが、平常時に財務内容がよく、経営に関わらない無駄な経費を制御し、税引き後利益を積み上げている会社で、銀行との本質的な対話ができている会社に関しては、緊急時には、銀行が殺到します。

 

だって、国の信用保証もアップした状況で、または、利子補給もされる状況で、しかも、普段は資金需要のなく、返済能力も高い会社に、資金需要が生れる訳ですからね。もの凄い、チャンスなんです(笑)

 

とはいえ、一般的には、借入金を返済しながら、経営をされている会社が多いことも事実です。

この場合、普段の資金需要以外に、緊急時には資金調達がさらに必要になる訳ですから、普段からのコミュニケーションや、決算書での格付けの表現アップ、また、月次試算書のブラッシュアップなど、普段の行動にこそ、緊急時の対策が潜んでいるように思うんですね。

なかなか、そうはいっても、普段、何もない時に、対策を打つというのは至難の業。とはいえ企業の本質的な目的は「継続すること」です。そう考えると、実はこれこそがBCP策定の根幹なんですね。この点、とっても大事な視点で、と思います。

 

リスク(不確実性)をヘッジする、というのは、実は日々の普通の業務プロセスが、ちょっとずれた時に、どう対処するかの積み重ねで、特別なことをしなくても、少しづつ準備もできるし、何からの障害が発生し、解決した場合の対策も、上書きしていくことで、更なるブラッシュアップができてしまうんです。

 

特に、金融機関、銀行もそうですが、証券会社や、損保、生保などの担当者が、緊急時にどんな行動をとるのかを見て頂きたいし、まあ、そこまでできなくても、連絡を入れる事で、思わぬ提案をされることもございます。

どうぞ、大変な時こそ、いろんな方のプロッフェッショナリティを活用してみてくださいね。

ぶっちゃけちゃうとあれだけど、資金調達ができれば、経営上の突発的な緊急課題は、解決する事が概ねできるはずです。

BCPを実際に実行しながら、頭は、経営者しかできない資金調達に心を配る。こんな感じで、まずは乗り越えて頂くヒントになればいいなぁ~。

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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