融資をする銀行の視点から、皆さまの会社を見てみると。

前回のブログでは、くるっと視点を変えると、見えているのとは違う景色が見え、気付くことも多い実例をご紹介しました。今回は、経営者の方にとって必ず関わることとなる銀行、それも融資担当の視点、という話をしたいと思います。

 

僕は、ざっきー、経営者専門の保険屋さん。僕が大好きな経営者の方の、事業価値の向上に貢献して、お悩みの解決をお手伝いする事を目標として仕事に取り組んでいます。

だから、担当する企業自身が元気になる事をしたいし、そうでない経営判断については「嫌われても疑問を呈する事」を意識して行っております。僕の口ぐぜは「言い過ぎですが…」ですもん。

 

だって、僕は、保険屋さんなんだから(笑)保険屋ってのは、リスク(不確実性)から経営者をお守りするのが仕事なので、その企業のリスク(不確実性)が高まるような事や、皆さんの事業価値を下げることが提案に混ざる事を、徹底的に排除して仕事に取り組んでいるつもりです。

 

解りやすいように一例を取り上げますとね、「節税」っていう経営判断のひとつの側面は、事業価値の毀損ですからね。

そうですよね、自己資本に組み入れられる純利益を圧縮する行為なんですから、ルックスルーすればわかりますよね。とはいえ税効果も無視できないことがありますので、最低限、「この意味を理解している保険担当者」と、お付き合いしてくださいね。金融マンは人柄の良さだけでは、ちょっとリスク(不確実性)が大きいのですよ(笑)自分を振り返ってもそう思いますから、自省を込めて申し上げております。

 

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さて、僕は銀行出身者ではありませんが、自分自身で苦労して資金調達をしたこともありますし、ご縁や、お節介の延長で、事業法人の資金調達のお手伝いをすることもあります。

だから、銀行での融資経験がある方ともまた違って、銀行の機能というものがどうもよくわからんとか、そもそも融資についての正しいレクチャーなど受け取らんがな、とか思われてる経営者の皆さまに対しては、僕の方がわかりやすい点があろうかと思います。

そもそも、僕にこうゆうことを教えてくれたのは、クライアントのお客様、そう、経営者の皆さんと同じ立場の方だったりしますから、より経験に基づいた話として聞いて理解していますので、皆さまにも伝わりやすいんじゃないかな、って思うんですね。聞く耳を持ってない方には通用しませんが(笑)

 

特に最近は、僕自身が会計学科出身だったこともあって、気付くと銀行勤務の先輩方が多いんですね。何かの機会に話ができれば、即、インタビュータイム!まあ、僕のとってはインプットタイムですから(笑)そんなところで入手した情報も含めて、ブログで紹介できればと考えております。

 

まずは、融資を行う銀行マンは、何を、どう見ているのかという話をしましょうか、でもその前に、これだけは覚えておいていただきたいんですが、銀行マンも含め、金融機関の人も、同じビジネスをしている人間だということです(笑)ええ、おっしゃりたいことも多々あろうかとは思いますが、まあ、聞いてくださいませ。

何を今更そんなこと言うの?と思われるかもしれませんが、TVドラマで半沢直樹という銀行を舞台にしたドラマが流行った時に、

「銀行は晴れた日に傘を差し出し、雨が降ると取り上げる」

というセリフがありましたが、あのセリフ、銀行マンの前で、話したりしませんでしたか?僕、この話を銀行勤務の大先輩と話した時に、途中で「しまった!」って思いましたもん。そう、もし自分の仕事のことを揶揄されたとしたら、そうゆう人をどう思うのか、っていうことです。

だってあのセリフ、正しいからなのです。そもそも資金繰りが厳しくなる前までに、できることはいっぱいあるんですね、それに、メインバンクや、準メインバンクの本当の意味は、通常ではない異常事態が起きた時に、緊急に融資を行って、企業の継続を助けるのが仕事なんです。だから「曇りの段階で傘は差し出すし、雨が降らないようにする」のが、信用創造を行う銀行の役割な訳ですし、そこは銀行マンは誰でも持っている矜持であると存じます。

では、どうしてあんなセリフになるのか。

それは、融資というお金は、誰か他の方の「預金」だからです。当たり前です、そんな雨にしてしまう企業に、どなたかが一生懸命になって資産形成された「預金」をルールを外れて突っ込んで、溶かすわけにはいかないからなんです。

こう聞くと、いかがでしょうか?まあ、そうはいっても色んな銀行マンがいますからね、一概には言えませんが、優秀な銀行マンほど、この点をじっと見ていますので、要注意ですよ。

 

それと、これも知っておいてください。金融機関に勤務する人は、ビジネスにおいては「本音と建前」を完全に分けています。本音を漏らすことはございません。そんなトレーニングをしていますし、そうじゃなく人間味あふれる場合、ルールに基づかない、まっとうな方法をとりませんから、逆に無理がかさんだり、イリーガルだったり、コンプライアンスに反したりしますので、注意した方がいいぐらいです。

経営者の皆さんが、いくらぶっちゃけても、担当者レベルではぶっちゃけて話せる権限、つまり決裁権はありませんので、そうではなく、銀行の論理を理解した上で、資金調達のパートナーとして、きちんと進めていく方が、実は近道なんじゃないのかな、って最近は特に思います。

 

現在の融資審査に関しましては、金融庁のマニュアルに基づきますので、審査要素の大半は決算書の数字の定量分析になるとは思います。でも、実際に、銀行の行内審査に対して稟議書を書くのは、担当の銀行マンなんですよ。そりゃ仕事だって言えばそうですが、ギリギリのところで融資を通すためには、銀行マンが味方になっていた方がいいわけですよね。

しかも、現在の銀行マンは最低でも100社は担当していますから、普段からコニュニケーションをとってもらい、できるだけ稟議書が書きやすいように情報を定期的に出していただき、そして、人として扱ってくれるところを優先するというのは、それは当然なんじゃないでしょうかね。この話は本当によく銀行マンから聞く話です。彼らも、ギリギリの融資を通すためには、正確で細かな情報と、なんとか社内審査を通す際の勇気も欲しい、というのは、僕は人としては納得できるものですから。

 

とはいえ、僕自身も、いろんな事情を理解できていなかった頃は、あーだこーだ言っていましたが(すみません)よくよく、その立場になって考えてみますと、取引業者に対して、経営者の皆さんがどんな態度を取っているのかって、一事が万事になるような気もしております。

僕なんかは、保険屋ですから(笑)そういえば、僕への扱いの違いで、その会社の業績や、未来の成長性って見えますもんね。まあ、伝わるんですよ、怖いぐらい、意識というのは。僕自身も、本当に意識をちゃんと持って仕事しないとって、よくブレるので「いかんいかん」と思いますもん。

 

ちょっと脱線しますが、ある上場している日本の中小型株式のファンドマネージャーは、投資先の会社が入っているテナントの、ビルメンテナンス会社(つまり清掃会社ね)にインタビューに行くという話があります。

全部が全部ではないにしろ、本当にそうしてるんだそうで、清掃の方々へのインタビューで、その会社の人材レベルが見えるそうです。この話聞いてから、僕、とっても意識してるんですが、明らかに、僕のブース綺麗ですし、他に階で忘れたマフラーが、すぐに戻ってきたりしましたから、これ、大事だなと。ちょくちょく声もかけてもらえますから、モチベーションアップにもなりますしね。

 

とまあ、銀行マンへのスタンスの話は、まだまだいっぱいありますが、とはいえ、銀行マンも、傘を差し出せないポイントがあります。それは、融資金額があまりにも多すぎるのであれば、それはどう頑張っても追加では貸せないという要素があるんです。知りたいですよね!お知らせしますね!下記の、2つの経営指標です。

 

1)債務償還年数 = 総借入金 ÷(利益+減価償却費)

2)売上高借入比率 = 総借入金 ÷ 売上高

 

です。1)の債務償還年数はご存知の方も多いと思いますが、決算書の格付けにおける、重要指標の一つであり、目安となる数値がありましたよね。そう、債務償還年数が、10年以内であることが、いい会社と言われる評価項目ですよね。

この指標が意味するところは、その会社の全部の借入金を、その会社の事業が産み出すキャッシュフローによって、どれだけの期間で返済できるのか?つまり、事業の実力として、どれぐらいの返済能力があるのかを、見ているわけですね。

銀行の融資審査としても、やはり10年以内を理想としています。つまり、皆さんの会社は、何年なのかで、今が、晴れなのか、曇りになってきているのか、雨が降り出しそうなのかが、わかる指標なんですね。

 

次の2)の売上高借入比率は、売上高と借入金のバランスをチェックする指標と言えます。

売上高というのは、その会社の事業規模を把握できる指標でもありますし、何しろ事業活動の源泉なんですね。

しかも、これは経験則的に「借入金は売上高の半分まで」という商道徳とも言える昔からの目安がありまして、確かに、売上高の半分を借入金が超えてきますと、自力での返済は不可能となり、返済そのものを続けるためにも、必ず追加融資が必要となりますので、更なる金利負担がかかりますから、利益を圧迫し続けることになってしまいます。

ということで、理想的な水準は売上高の20〜30%と言われていますが、50%を超えてくると、追加の融資は厳しくなってくるわけですね。

この点だけでもご自身の会社を見ていただくと、銀行マンから見た、皆さんの会社の景色がわかるようになります。

されに、僕が存じ上げている限り、銀行マンはこの項目が基準をオーバーしているからといって、だからダメだとか、手を抜くことはありませんが、厳しいなという本音を秘めて対応していくことになります。

ほとんどの場合、この点がダメですよ、とは言わないと思います。なぜなら、金融機関という機能は、事業を通して付加価値を社会に産みだしている事業やその経営者に対して信用創造を行う機能であって、あくまでも社会の主役は、事業を経営する皆さまであり、それを支えることが仕事の本質なんだとは、心のどこかで思っていますからね。

きれいごとばかりでないのが現実ではありますが、金融機関は、なかなか本音が言えないし、どう見ているのかという視点が違うので、参考になればと思いました。くるりと視点を変えるのは、僕自身、意識して取り組んでいこうと思います。

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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