黒字さえ出していれば、本当にその企業価値は高いの?

ちょっと前にあった質問で、

「結局、黒字であればいいんだよね」

ってのがありました。

 

これ、僕が、経営者のビジョンを聞いているときの会話からです。

 

「現在の会社を継続するためには、とりあえず、黒字にこだわればいいし、

それでいいと思う」

でした。

 

でも、ちょっとまって!

それは、結果の話だよね。試算表や、決算書のP/Lのはなし。

 

そうじゃなくて「どうしたら黒字になんのか」ってことがわからないと、

やみくもに、とりあえずに、なりませんか?

って思いますが、いかがでしょうか?

 

ああ、僕、経営者専門の保険屋、ざっきーです。

好きな人に、おせっかいを焼くのが好きです(笑)

 

経営者のリスクは、結構デカイんで(笑)保険だけですまないし、

本質的なリスクヘッジを提供したいので、言いたい事いいます!

僕の大事な、クライアントの方へ届け!と思い、

このブログも書いております。

いつでも、読み直せるようにね

 

これ、自分の備忘録代わりにまとめました。

 

そもそも、付加価値を産みだす仕組みとしての企業ってのは、

どのようにして、付加価値を創造するのか、

これがわかったほうが、経営者も手が打ちやすいと思うんです。

 

ちょいとお付き合いください。

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まず、拒否反応が出るこれ、

ROIC > WACC

訳します。

ROIC(Return on Investment Capital、投下資本利益率、もしくは運用利回り)とは、

事業に投下した資本に対して、本業を通して、どれだけのリターンを上げることができたかの指標のこと。

ROIC=NOPLAT(調整後営業利益、営業利益*(1ー税率)/(株主資本+有利子負債)

 

WACC(Weighted Average Cost of Capital)とは、加重平均資本コスト(株主資本コストと、有利子負債コストの額の比率によって加重平均をとったもの)の事、どのように調達されたのかによってコストは違う。

 

ので、

「投下資本利益率」>「(加重平均)資本コスト」

となります。

 

この不等式が成り立たねば、会社が経済的な価値創造をする事はありません。

逆だとどうなるかというと、

会社という価値を生み出す仕組みの価値そのものを、棄損します。

 

わからんがな!

 

はい。ひとつひとつ、解説しますね。

 

これ、僕がかつて学んだ、

上場株式の株価のフェアバリューを算出するため、

企業価値評価を学んだときのエッセンスの一つを使っています。

 

噛み砕きますので、何か、ヒントになればと思います。

僕も、書く事で、思考を整理したいと思います。

 

まず、「資本コスト」とはなんぞや、からいきますね。

 

例話法が一番わかりやすいので、

 

例えば、僕が、ある事業家に、お金を出してくれたら、利益は折半、

一年後に元本を返済するし、利益率も60%はある、固いビジネスなんだ、

投資しないか?って言われたとします。

 

年利60%に飛びつきますが(笑)、

あいにく、手元にキャシュがないので、

高利貸しから年利40%で1,000万円を借りて、

投資しました。(例ですからね!)

 

この僕から見た場合、投資資本を調達したときのコストを、

「資本(調達)コスト」40%と表現するわけです。

 

で、一年間で、その事業から得た利益が、年利60%だとすると、

これを「投下資本利益率」が60%と表現するわけです。

 

従って、この場合、僕から見たとき、利益は折半ですので、

僕の「投下資本利益率」は30%です。

 

結果として、元本の1,000万円と利益の半分300万円の、

計1,300万円となり、

一年前に調達した資金が1,300万円になったという訳です。

増えましたよね!

 

でもね、

このとき、高利貸しに金利を払わねばなりません、

金利は年利40%ですから、400万円。

 

あれ。あれ。変ですよね。

 

これ、事業に投資をするという運用面ことで、30%の利回りを得ても、

その投資資金を調達するという調達面では、40%の金利、

つまり資本(調達)コストを支払う必要が出てきてしまうので、

価値創造はマイナス10%って事になります。

 

これ、とても重要なポイントで、

事業(運用面)としては、利益が出ているにもかかわらず、

金利(調達面)を差し引くと、マイナスになる。

 

これでは、継続して事業を続ける事ができないと思いませんか?

 

これは当たり前かもしれません。

 

極端な例だから、途中で気づかれた方もいたかもしれませんが、

では、自己資金だったら、つまり、高利貸しに借りたんじゃなくて、

自分の手元キャッシュだったら、どうなんでしょう?

 

今回は、運良く折半後の投下資本利益率が30%だったのですが、

これが事業が思ったよりもうまくいかなくて、10%だったら、どうでしょう?

 

僕の取り分はそれでも、年利5%。銀行の普通預金よりはいいかも(笑)

でも、一年間、資金をロックされる訳ですから、

正直、今のままの運用でしたら、僕の現在の足元の利回りは10%を超えるので、

実はマイナスなんですね!

そう、これじゃあマイナスなんです!!!

なんと、投資しないほうがよかった事になります。

 

また、そもそも投資ですから、うまくいかない場合もありますよね、

元本が返ってこなかったらどうします?

 

その場合、そもそも、年利60%という投下資本利益率だけは判断できず、

どのようにして資金が調達されたのか、その「資本コスト」によって、

求められる投下資本利益率は変わりうるし、判断すべきは、

ROIC > WACC

となります。

 

ちなみに、

最初の文章に戻りますと「まずは、黒字を維持する」というのは、

ROICの一側面にすぎないし、WACCを考慮したかどうか、疑問です。

 

そもそも、経営とは、会社という価値創造の仕組みを使って、

まずは、B/Sの右側で調達を行い、それを資産の形に変え、

投資行為を行う訳です。

B/Sで行われている事は、経営そのものと言えます。

 

その結果、売上が計上され、そこから変動費、固定費などの経費が引かれ、

結果、繰越利益剰余金として自己資本が積み上がっていく訳で、

どう運用したのか(儲けたのか)だけでなく、

どこらか調達したのか(借りたのか、利益からなのか)のコストを、

あわせて検証していかないといけません。

 

増収増益でも、

模の拡大などを志向している場合には、

価値創造ができていないケースがありえます。

もし、そうであれば、

その企業の価値は、毀損されていってしまう訳です。

 

この質問を受けた方には、具体的には、こんな事をしました。

 

未上場企業ですので、まずは、現状確認をするために、

銀行借り入れ明細や、決算書などを拝見しながら、

その企業のROICとWACCのスプレッド(差)がどれぐらいなのかを、

各事業の種別ごとに検証しました。

 

そうしたら、意外な事がわかってきました。

 

そう、資金繰りを余裕をもって行うための借入金余剰が大きいので、

今以上のROICにしないと、スプレッドがゼロに近い、という事です。

それぞれの事業ドメインによって、ROICは違いますが、

これら全てをあげないと、まずい、という事です。

 

この話、まだまだ、噛み砕けていないので、

なかなか伝わりにくいかと。

また、噛み砕きます。ちょっとまってくださいね。

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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