ギリシャ問題は、経済秩序を破壊する可能性があるかも…

前から書いていますが、

ギリシャの問題です。

でも、それって、欧州の話でしょ?

っていわれるかもしれません。

が、

そうでしょうか?

11063017_821499084595127_587247460_n

 

ギリシャ問題は「忍法先送りの術」状態です

はい。

先送りされているだけで、何も解決されていません。

 

で、僕なりの一番の解決方法じゃないのかなと考える方法は、

「ギリシャが政治的にも、ユーロを離脱するかどうかは別にして、

このままデフォルトしてドラクマを発行する」

というものです。

おそらく、今、考えられる、ベストチョイスだと思います。

多分、金融システムを理解されている方には、ほぼ、同意いただけるかなと。

 

なんで、そんなことするの?

ギリシャは現在、3200億ユーロを、ECBなどから借りているのですが、

これを踏み倒してしまえば、一気に債務から解放され、

安いドラクマを使って、観光業などを再興することが可能になります。

 

通貨が安いとは、相対的に他国の通貨が高い訳で、

極端な通貨安の場合は、他国の通貨建てのモノが買いにくくなります。

でも、一方の側面として、他国から見た場合、ものすごく安く見える訳でして、

自国の通貨の信用がなくなるので、他国の外貨を得るために、どうするのか、

ということなんですよね。

 

自国のモノの対して、他国が何に興味があり、そこに、

外貨を投入してくれるのかと考えた場合、観光と海運が強みのギリシャの場合、

おのずと、外貨を稼ぐ方法が見えてきませんか?

 

頭で考えていても、実行するのは難しい…

一般的に、自国通貨に信用がなくなった場合、このように通貨安にして、

輸出なり、外貨を呼び込む工夫をして、経済を回復させるわけですね。

 

これ、アジア通貨ショック後の韓国や、タイで行われてたのと、同じです。

 

この考え方「業績が悪い時の経営の見直しポイント」と考えて頂くことも、

できるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか?

 

以上のように、本来は、とっととそうするべきだったのですが、、、

弱いドラクマが、強いユーロに変わって、

むやみに浪費してきた訳ですから、、、

なかなか、決断できなかったのでしょうね。

 

身を切ることはしんどいです。

だからこそ、それができた方を支えたいなと思います。

 

経営者の方でも、危機の時に「生活水準まで変えられる方」

少ないですよね。

もちろん、気持ちはわかります(笑)

 

なので、私自身は、生活費を固定費にせず、変動費にしています(笑)

やばいときは、ダウンサイジングがすぐできれば、

環境の変化に耐えれますからね。

 

問題の本質は、デフォルト後じゃないの?

実際、3200億ユーロといっても、

国際経済の規模で見れば、わずか40兆円程度のものです。

ぶっちゃけ、みんなで負担すれば、大した金額でもない訳ですから、

無理せず、この道を選択する、というのが賢い選択なはずだし、

どこどこが破綻だーとか、煽る方いらっしゃいますが、、、

 

経済への影響は、まず、

規模を見るべきだと思います。

 

でも、僕なりの理解は、その後の話、

問題の本質は「ギリシアがデフォルトした後」

の話なんじゃないかと思います。

 

西側の債務をすべて踏み倒した、新ギリシアに対して、

西側諸国が、経済復興資金を、引き続き融資をするなんてことが

果たして可能なのでしょうか?

 

これこそ、「究極のモラルハザード」ですよね。

 

こんなことが前例になれば、誰も真面目に借金を返そうとは思わないですよね。

 

だって、そうなれば、ユーロに限らず、西側先進国から借金をしている世界中の途上国で、

踏み倒しが横行すると思います。

だから、そんなことは許されるわけがないのです。

 

「借金は返す」という暗黙知があるから、投資できるわけだし、

金融機関にお金が集まり、価値創造がされるわけですよね。

 

借金している債務者も、預金を持っているならば、その点では、債権者であって、

預金を預けてもいいのは、暗黙知としての、自分自身の「借金は返す」からですよね。

 

ですよね、預金ってのは、金融機関によって、誰かの借金になっている訳です。

 

国債を買うのも、政府の借金だし、融資するもの、企業の借金ですよね。

でも、それって、返すこと前提にしているから、預金できるんですよね。

これ、世界中の金融システムを支えるクレジット(信用)の根幹の概念なんです。

 

だから、「借金は返さない」っていうことになってくると、

世界中の金融システムは、崩壊する可能があるんです。

 

でも、現在のギリシャを取り巻く環境で、ちょっと変な感じがあるんです。

「ギリシャさん、これまでの借金をチャラにしても、関係がないですよ」と、

言い切ってるとしか思えない国の存在が、ここに来て大きくなっていいています。

どこかって、

 

中国です

 

彼らは、私たちの金融システムと直結していません!

(これ、金融機関にいたらわかるのに、いまだに、人民元を

まっとうな通貨として話す方や、報道が多くて、謎です)

また、未だに、外貨規制をかけている国です!!!

そう、先進国では、全然ありませんね(笑)

 

アジアインフラ開発銀行(AIIB)のニュースをどう読むか

さて、その国が、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を設立して、

それにイギリスも参加する、というニュース、さらっと流れていますが、

これ、深掘りすべきニュースだと思います。

 

だって、経済のルール変更が起こる可能性があるんですよ。

 

モノからコトへとか、関係性マーケティングとか、

キャッシュフローギャップの改善とか(僕も一緒です 笑)

そのレイヤーの話じゃなくて、、、

 

経済のルールが変わったら、ほとんどの常識が覆る可能性がある訳です。

 

しかも、世界規模での優劣が発生しますので、経済の変動だけでは

済まない可能性を秘めていることを、仮説を立てって考えておくことも、

必要じゃないかなと思います。

 

このニュース、全人代後の中国からの発信で、

中国自身も成長率7%と、かつての半分以下の成長率へ減速している、、、

この時期にです!

 

あきらかに、別な意図を感じざるを得ませんか?

 

ギリシャに対しては、西側に対する借金をすべて踏み倒させておいて、

その後、すぐには、復興支援融資など不能な西側諸国を尻目に、

中国が融資を行い、影響力を行使する。

 

で、そのバックアップを、イギリスが行う、

という仮説はいかがでしょうか?

 

イギリスは、通貨としてのユーロを採用していません。

また、アメリカに対しても、かつて威信があり、

我々の意識とは、ちょいと違います。

だって、アメリカの歴史って、250年ぐらいの話ですから。

 

そう、ヨーロッパとアメリカは、同じスタンスでは、決してないのです。

 

また、以前、キャメロン首相がダライ・ラマと会談した結果、

中国との関係が悪化し、それをカバーするために、必要以上の譲歩を

せざるを得なかったのは事実です。

 

イギリスには、シティという金融センターがあり、西側ではない、

ロシアや、中国のマネーが多大に流入していますよね。

 

まあ、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を作って、

実際の実務はどうするのかって問題はありますが。

 

本質的には、日本の協力が適任です。だって、以前のジャパンアズナンバーワンの頃、

日本主導のAMF(アジア開発銀行)を作ろうとして、アメリカからもの凄い圧力を受けて、

その手打ちで、IMFの実務を取り仕切ることで、手打ちをした経緯があります。

それ以来、IMFのトップは違いますが、No.2は、日本のしかも財務省の官僚が定位置ですよね。

そうそう、現在の日銀総裁の黒田さんがそうですね。

 

なので、イギリスだけではどうでしょうか、、、心もとないと思いますが。

 

つまり、ギリシア問題っていうのも、このあたりまでの、

大掛かりな地殻変動を予測することが必要なんじゃないかと思う訳です。

 

当面、デフォルトするかどうかなど、それこそ、金融度の低い、どうでもよい議論だし、

デフォルトという観念こそが、経済回復のプロセスであって重要な訳ですよね。

 

これは、資本主義経済が発展拡大してくる中で、

生み出された知恵だと思うんですよね。

 

さて、この仮説のようなことが本当に起きたなら、

我々、資本主義の国々のこれまで培ってきた秩序が、

相当な試練に直面することになる可能性があります。

ギリシア問題の本質は、これではないかと思うのです。

 

次のブラックスワンはいつ来るのか、

どう備えるかが難しいなら、今やることを、

緊急じゃないけど、重要なこと

をしておく事かもしれません。

 

僕も、やろっと。

The following two tabs change content below.
木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

記事を気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket