これからの保険屋は節税屋じゃなく、財務屋にならないと

2年前の夏から、ブログを始めましたが、賛否両論です(笑)

特に、僕のクライアントの、経営者の皆さんに対して発信しているのですが、

僕の認識では、2割ぐらいの方が、僕から離れて行かれましたから、、、

ごめんさない、という気持ちと、でも、これが僕です、という気持ちです。

 

「耳障りの悪いことを発信せず、サプライヤーとして黙っとれよ」と、おっしゃるなら、

どうぞ、切ってくださいませ。構いません。その覚悟があって、発信しています。

 

僕の仕事は保険屋さん。経営者専門の保険屋さん。

クライアントのお悩み事に寄り添い、事業価値を高めます。

望まれれば、ですが(笑)

 

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現時点でお預かりしている生命保険契約による保障金額は、

100億円を軽く超えます。

ほとんどが、経済的準備として購入いただいた契約ですから、

解約が、ほとんどありません。

 

ここ数年の継続率(生命保険契約が2年以上継続している指標)は、

99%を切ったことがなく、法人契約がほぼ9割を超える僕の場合、

ありえんだろ、っていう数字のようです。

 

ですね、ここ数年は、節税目的で進めていないからかもしれません。

必要なものとして、購入いただいていて、それを維持管理している、

という状況でしょうか。

 

僕の場合、人の「死」を取り扱う仕事上、

将来とか、来年とかってのは、絶対じゃないことを知っています。

というか、ここ数年は、不条理な「死」に寄り添っていますから、

自分自身も含め、時間は永遠じゃないことを、深く認識させられました。

 

だっから、今からやるしかないのです、変える時は、今しかないのです。

 

そんな気持ちで発信していますから、逆に、じーっとウオッチ頂いて、

覚悟を決めて、ご相談いただくケースが、ここに来て増えてきました。

 

多分、僕が発信していなければ、ご契約のあるクライアントでいらしても、

本気の話となる、魂のぶつかり合いまでは、いかなかったと思います。

そんな方々も約2割、、、

 

そっか、世界ってのは、2:6:2なのね、と今更ながらに、

納得する一年の振り返りです。

 

ちなみに、僕の理解するパレートの法則は「良い悪い」ではなく、

価値観が「合う合わない」と、理解しています。

なので、決して批判しているわけでもなく、切っている訳でもないので、

その点だけはご理解ください。

 

 

さて、

今年最後のアポイントは、そんな僕のブログを、

じっとウオッチしていただいた、長年のクライアントさんからでした。

 

時間が取れたというか、取ったというか、取るしかなかったというか、

切羽詰まった状況らしく、会社には出社してなく、自宅でしていた僕ですが、

急遽面談に。

 

ご相談は、

どうして売上を上げたのに、生活が苦しいままなのか、

どうして資金繰りが悪いのか、どうしてお金が、会社も個人も残らないのか、

 

という切実な問題でした。

 

「売上を上げる方法が、わかったわけではない、

 でも、できることから、がむしゃらにやってきて、

 いろんな勉強もし、いろんな挑戦もし、社員の給料もあげ、

 社員のやる気も上がっている、、、

 なのに、この12月のボーナスを払う、お金がなかった、

 どこをどうしてもなかった、どうして何だろう、

 何が悪いんだろう、悔しくて、悲しくて、情けない、、、」

 

自分を責め、やり場のない心情を吐き出すような、お話でした。

 

僕がびっくりしたのは、ここからです、

何と、その場に決算書をお持ちいただいていました!

 

えっと、僕は保険屋ですし、何も事前に言っていないんですよ。

でも、ブログを読んでいただいていて、持ってこられたそうです。

 

また、念のため、聞きました、

「どなたか、他に、相談される方はいないのですか?」

 

その方は、すぐに、言われました。

 

「恥ずかしい気持ちを抑えて、相談したんだけど、税理士も、銀行も、

 そんなこと、あなたが考えることでしょ?てな感じでした。

 でも、やっと、わかった。関係ない以上に、どうしたらいいのか、

 知らないんだって事。

 だって、そうですか、何でなんでしょうね?っていうんだよ、

 数字見てるよ、税理士も、銀行も。それで初めてわかったんだよ、

 どうしたらいいか知らないんだ!って」

 

「どうしたら、いいのか知らない」

そう、そうなんです。

 

税理士さんのビジネスモデルは顧問業ですから、顧問先が増えると、

職員さんが増えるという売上と固定費の連動が大きく、

しかも、仕入れがほとんどいらないビジネスモデルですから、

銀行借り入れなどしません。というか、銀行借入していたら、ダメでしょ(笑)

 

銀行マンも、知識はあるかもしれませんが、知識と、実際の経営は違います。

 

ほら、MBA持っているからって、絶対に優秀な経営者だと言えますか?

違いますよね。

 

しかも、銀行マン、今は行員も少ないし、めちゃ忙しいんです。

飲み会や、誘いなど、行っている時間はありません。

その時間を銀行がとってくれるのは、超優良でお金借りてくれる会社だけです。

だから、会社訪問をしても、一社あたり、15分ぐらいしか面談の時間は取れません、

経営者の皆様、長時間いる銀行マン、いますか?

 

それに、相当な営業ノルマはあるし、そもそも、経営指南をしたその会社、

銀行マンに報いることができるか?って話です。

わかりやすく言います、今の場合以上、融資、借りてあげられますか?

ってことです。

 

銀行の商品は「お金」です。まあ、金融機関、全般がそうですよね。

それを買ってくれないと、商売にならんのです。

経営指南などやっている時間と、それに見合う成果物が、手に入るのか、

って話です。

 

まあ、そんな時間を取れる訳がないですよね。会社員ですから。

 

 

今回の場合、

休日のホテルのコーヒーラウンジで、決算書を広げながら、

電卓叩きながら、現状分析から、プロセスを一つ一つ確認していきます。

 

 現状分析 → 問題抽出 → 解決策提示

 

という流れです。

具体的には、このエントリーのように行います。

 

今回は、簡易でしたが、大枠の数字を掴みながら、

解説していきました。

 

問題はすぐに見つかりました。

短期借入金と、長期借入金のバランスがおかしかったのです。

 

短期借入金は、資金ギャップを埋めるためのもののはずですが、

取りあえず、現金があれば直ぐに返す、を繰り返していて、結局、銭足らずに…

 

長期借入金は、設備投資であるのに、期間を減価償却期間にも合わせず、

投資回収期間にも合わせず、単に短い方が、借金が早く返せるとして設定してあり、

借入金の元本返済と、キャシュフロー(営業利益+当期減価償却実施額)が

合っておらず、こちらでも銭足らずに…

 

しかも、他社の資産計上のある、節税と退職金目的の保険にも加入していて、

これもキャッシュフローに影響を及ぼしており、銭足らずに…

 

問題点の抽出は、それ以外にもありますが、

お金が足りない、ボーナス資金がなかった理由は、

経営者のキャッシュフローマネジメントの誤りからです。

 

「借入金は、早く返済したほうがいい」という、一般論。

 

そもそも、借入とは、手元のキャッシュがないので、

将来入ってくることを見越して、そのバランスをとるものなのに、

ほとんどの方が、借入は悪いことと思い込んでいることで、

無理をしてしまっているケースが多く見られます。

 

結論的には、とってもシンプルな問題でしたし、解決策もわかりました。

しかも、今後の借入金の目安のポイントもわかりますし、

その経営者のビジョンに基づいた場合、何を優先し、何を行わないかも、

その経営者ご本人が基準を持つことができました。

 

来年も、度々、面談しながら会社の事業価値を上げていきましょう!

ということになりました。

 

最後に、こう言われました。

 

「ざっきーに、こんなことまでやていただけるとは、思いませんでした。

 ありがたいのですが、私ができることは保険を全部、任せることぐらい、

 それでいいんでしょうか?」

 

はい。それでいいです!一番嬉しい言葉ですよ〜

 

僕は、会社員ですが、フルコミッション(完全歩合制)です。

自分の事業計画は自分で立てますし、どこまででも売上伸ばせますが、

逆に何もしなければ収入はゼロです(笑)

 

当たり前です。

リターンが高い仕事というのは、リスク(不確実性)が高い訳ですから、

個人事業主で、毎日仕事をしなきゃとか言っているのは、駆け出しの頃で、

年々、事業計画をブラッシュアップするなら、単価を上げ、単位時間を下げることを、

やっていかないと、それは成長ではありませんからね。

 

だから、どう仕事をするのかは、自由なんです。僕の考え一つです。

 

ここ数年で腹落ちしたんですね。

こうゆう個人事業のメリットってのは、事業計画も自由だからこそ、

マーケティングも自由で、休もうが働こうが、これも自由だということです。

 

どこで、収益とするのかは、自分で決めれるのだ、ということです。

 

これは、金融機関というところにおいては、有り得ない、

立ち位置なんだと思います。

 

来年も、ますます、この立場を圧倒的に使っていきたいと思います。

どうやら、僕にしかできないことが、見つかりつつあるような気がしています。

 

人は、何かをなくすことは、とっても怖いことだけど、

何かをなくなさないと、新たらしいことが入る余地もないし、

何も変化しなければ、刻々と変わる時代や環境に対応できる訳がありません。

 

「得る(うる)は捨る(すつる)に有り 」

 

この言葉は、事業承継された事業とともに、数百億の借入と格闘され、

一部の優良な事業を育てられ、上場までされた、僕のクライアントさんから、

頂いた言葉です。

 

僕があることで辛かった時に、そっと、お話しいただいた、宝物です。

来年は、肝に銘じて、もっと変わっていこうと思います。

 

さて、

今年もお世話になりました、来年もどうぞ、宜しくお願い致します。

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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