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日銀(中央銀行)は存在理由を、白から黒にしたの?

公開日: : 最終更新日:2014/11/06 企業価値, 社長のためのここだけの話

先週末、日銀が禁じ手を打ちました。

 

さて、皆さん、株価さえ上げれば、景気はよくなると思われますか?

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株価が上がれば、景気はあがるのでしょうか?

 

今回起きた事は、日銀が株式市場に対して、直接介入の規模の拡大、という事を行う、ということです。

 

具体的には、ETFを3兆円、REITを900億円買い増す訳ですから、影響が小さいはずもなく、しかも、マネタリーベースも増やしているので、ここ20年間の金融緩和によって、マネーはだぶついていますから、効果があるとすれば、円のダイリュージョン、つまり円安です。

 

でも、円安効果って本当にあるのでしょうか?既に円安による消費者物価の上昇や、消費税増税による生活苦、という形で問題が顕在化してきていませんか?

 

で、再度伺いますが、景気はよくなってきていると思われますか?

 

今回の追加緩和に関しては、中央銀行という仕組みのの存在意義である「通貨価値の安定」をないがしろにしているとしか思えません。

 

中央銀行としての通貨価値の安定という政策を捨てて、株価を上昇させるため、ひいては消費税を増税するためだけに中央銀行の「伝家の宝刀」を抜いたと言う点で、これは世界中からみて、日銀は中央銀行としては信用できない、という評価につながると考えます。

 

つまり、今回の追加緩和は、つまり「円」と言う通貨の信認を著しく傷つける行為で、この傷跡はそう簡単に癒えないだろうことも、理解しなければなりません。

 

11月はG20や、IMF会議、APECなど、政府の経済政策の関係者にとっては、大きなイベントが控えています。

 

その中で、アメリカはQE3を停止し、出口戦略に移行し始めましたから、日本とドイツか血祭りにあげられるのは目に見えています。

 

危機回避と、景気対策を、いっしょにすんな!

 

だから、このタイミングと言わけではないでしょうが、皆さん、忘れていませんか?

 

そもそも、アメリカが金融緩和に踏み込み、さらに量的緩和を拡大してきた背景には、金融危機という問題があったんですよね!

 

景気が悪くなったとかのレベルじゃなく、危機があった訳ですよね!

 

アメリカの金融緩和、さらなる量的緩和の拡大とは、そもそも、リーマンショックにより、多くの金融機関が事実倒産し、残ったものもほとんど潰れかけていたような状況(モルガンスタンレーの株価は3ドル、ゴールドマンの株価も8ドルまで叩き売られてた状況)になりました。

 

そんな極限状況のなかで、金融機関に「流動性」を提供しなければ、アメリカの金融システムが崩壊する(つまり世界経済が混乱の極みに達する)寸前まで行ったことに端を発します。

 

 

その後も様々な方法で緩和を拡大した訳ですが、それは瀕死の重傷を負った金融機関に、十分な「流動性」を与えない限り、個人や企業に対する金融と言う「流動性」を確保できず(ローンや融資などの経済活動を支える金融インフラが提供できなければ、資金繰り倒産や、個人の含めた貸し剥がしが起こる事は明白です)市民生活そのものの崩壊につながりかねなかった訳です。

 

更には、決済不能など、不測の事態を起こす可能性がしばらく残ったからに他なりません。

 

そして、ようやく、最近になって、その「流動性」の提供によって、ほぼ不良債権の償却が終わり、金融機関の危機が遠のいて、通常の金融インフラを提供できるであろう、という状況になったので、出口戦略の議論が出てきているという訳です。

 

それでも、確実に金融市場(株式市場だけではありません)が機能するまでは、量的緩和を続ける、という意図がある訳です。

 

 

QE3終わりますが、量的緩和をやめる訳ではありません!

 

これも、ごっちゃにしている解説とかがあって呆れます。

 

思い返してみると、日本でも、バブル崩壊や、山一証券倒産の時などは同じ趣旨で金融緩和を計り、危機を乗り越えてきた歴史がありますが、今回は全く状況が異なりますよね。

 

リーマンショックによって、輸出などの生産活動は確かにショックを受けた訳ですが、遠く離れた日本では金融機関が瀕死の重傷を負って倒産寸前までいった、なんてことはなかった訳です。

 

金融機関は健全であったのに、経済主体である企業が、あのショックを見て保守的になった(空気がそうさせた)ため、それを助ける(空気をかえる)には金融緩和をして市場にマネーを溢れさせれば、金融機関がそのうち融資を仕方なく増やすのではないか、と考えた訳です。

これは理論としては間違っていませんでしたが、実際には最終需要の増大が見込めない日本市場で、設備投資を決定するというのは余程のことであって、金融機関にいくらマネーを出し続けても融資は伸びず、設備投信には回らないと言う現実にしかならなかった訳です。

 

それ以上に、内部留保を蓄えた企業は、その範囲内でしか、設備投資をしていないのが現状ではないでしょうか。

 

白川前総裁が強調していたのはこの点です。

 

 過去を振り返りながら、検証しましょう!

 

しかし、黒田総裁になって、バズーカを打ちました。

 

最終需要は拡大していないのに、さらに金融緩和をしたらどうなったのか?

 

しかも、マネタリーベースの増大だけではなく、実物を買い上げるという暴挙に出ました。
当然余ったマネーの行先は設備投資などではなく、株式市場や住宅市場ということになり、当然株価は上昇します。

 

つまり、バブルです。

 

 

だったら、儲けたいなら乗り遅れないことです。でも、いつ降りるのかは、自分で考えてくださいね 責任、取れませんから 笑)

 

さらに消費税増税の一方で、年間5兆円~8兆円の公共投資をぶち込んだ訳ですから、それは特定の業種においては潤いますので、結果、空気としての株価は上がるでしょう。

 

しかし、実際の金融緩和の目的である、実体経済の改善には全く役に立っていません。

 

黒田総裁の発言された文章を読んだりしていると、株価さえ上げればデフレマインドが改善し(空気がよくなって)国民が金を使うようになるのだ、という考え方が見え隠れするのですが、国民はそれほどバカなんでしょうか?

 

皆さん、空気や、気分で、投資しますか?ありえないですよね。

 

これから消費税が上がることを考えれば、株高で浮かれる人などごく一部であり、大部分の人は消費増税に向けて防衛体制を取るでしょう。

 

そんなことも考えてもいないなら、ちょっと問題だと思いますが、いかがでしょうか。

 

まさかとは思いますが、このあたりの経済理論を、黒田総裁は本当に知らないのかもしれない、と最近そら恐ろしくなってきました。

 

 ルックスルーして考えると・・・

 

さらに悪いことに、消費税増税の一方で、政府の予算規模は過去最大に膨らんでいます。
もともと、消費税は社会保障費にまわす、という話だったのですが、いつの間にか予算規模の拡大に使われ、それが公共投資に回っています。

 

これが意味するところは何でしょうか?

 

「もともと、消費や設備投資に回る筈だった分のキャッシュフローを、消費税増税よって政府が回収し、その分を財務省を中心とした政府が再分配の名目で、コントロールして無駄なひも付きの公共投資を増やす」です。

 

あーあ。

 

この二つの事が起きているのは、事実ですよね。

 

ルックスル―して考えると、「一般国民が使うはずの金を政府が召し上げて勝手に使う」ということなんですけど、これで景気が良くなるんでしょうか?

 

しかも、消費税というのは、逆進性が高い税金ですので、富める者も貧しきものも、平等にかかる税金なんですよね。

 

そもそも、政府と言うのは経済主体としては最も経済効率の悪い主体であることを忘れていませんか?

 

そもそも、利益を追求しないのですから民間に比べれば資金効率が悪いのは当然です。

 

であれば、もともと民間で効率よく使われる筈だった資金が最も経済効率の悪い政府という経済主体に移管された、ということを意味する訳です。

 

これは最悪のケースです。

 

利益を産まない事業に投資され、消耗され更に財政が厳しくなるのに比べれば、その資金は民間に保有させ、効率よく投資させ、納税に結び付け財政再建に役立たせる、というのが成長の骨子でなければなりません。

 

この話し、経営者の皆様ならおわかり頂けますよね。利益を生まないもの、効率が悪いものへの投資をする経営者はいませんし、いたら失格ですよね。

 

 さて、どうしますか・・・

 

現実のこの状況、どう思われますか?この状況を隠すべく、とにかく株価を上げる事を政府も、日銀も言っていますが、世界から見た場合、そんな介入のある市場など、信用できる訳がありません。

 

今回、日銀は株も買いますが、政府の意向によってGPIF(年金)が株を買います。

 

その分GPIFが買っていたJGB(日本国債)をだれが買うのか、という話しになるのですが、日銀が買うのでしょうね。

 

つまり、自己ファイナンスですよこりゃ。

 

こんな事続けてれば、いつかは大変なことになります。

 

えっ、日本が破産する?大丈夫、破産しまっせん(笑)だって、日本銀行券、刷ればいいんですから。
でもそうなると、「円」の価値って落ちませんか?

 

そう、「ハイパーインフレ」起こせばいいんですよ!

 

しかも、JGBの保有者は国民が約95%で、その約7割が高齢者や、企業なんですから(笑)世界に迷惑かけませんしね!

 

この話し、背筋が寒くなりませんか?僕、寒いです。

 

こんな事が起きない為に、中央銀行は通貨価値をまもる番人であったはずなのに、、、

 

今回の追加緩和に疑問を感じる訳はここにあります。

 

現時点の株高は、一時的に僕自身の資産価値を上げていますが、近いうちに、「円」の比率を下げます。

 

現在、世界で信用できる通貨は、円の他は米ドルだけです。

 

レアルとか、人民元とか、ランドとか、、、ユーロだってこれからどうなるかですよ!(グローバルファイナンスの世界にいれば、あと信用できるのは、スイスフランぐらい。忘れてはいけません、今までの円の価値を!)

 

ちょっと、真剣に、検討を始める時期に来たのかも知れませんね。

 

日本の将来に、深刻なダメージが残らなことを、こんな僕ごときの妄想が起きない事を、切に願う今日この頃です。

 

このエントリーは、あくまでも僕の頭の中の体操です、何の団体の意見も代表しませんし、妄想であって欲しいとすら思います。

 

でも、リスクって「不確実性」ですから、仮説を立てた場合の、一思考としてご参考になれば、幸いです♪

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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