「経験だけは教えることができない」マネジメントの壁はこれかも!

題名は、HDDに録画されていた番組を見ている中で、元千葉ロッテマリーンズの監督でもあり、メジャーリーグの監督も歴任された、ボビー・バレンタイ監督の言葉です。

強烈に印象に残った言葉でして、この事について書いてみたいなと思い、ブログにしました。もしかしたら、この番組を見られた方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

奇跡のレッスン 最強コーチが導く 飛躍の言葉▽互いの尊敬がチームワークを高める

 

プロ野球・千葉ロッテマリーンズの監督だったボビー・バレンタインさん(65)。

かつてマリーンズを31年ぶりの日本一に導いたそのさい配は、

“ボビー・マジック”と呼ばれた。千葉県民にとっての英雄的存在だ。

今回、同県の少年野球団(小学5・6年)に向き合った。

まじめに練習してもなかなか試合に勝てない子どもたち。

ボビーさんは「大事なのは仲間のミスをチームメートがいかに補ってあげるかだ」と説く。

 

僕は少年野球をやらせてもらえなかったし、子供もいないので、何かを語れる訳ではないのですが、野球チームというのは、プレイヤーそれぞれのポジションがあって、役割があるだけでなく、そのチームに関わる、監督、コーチ、選手も控えの選手を含めたすべて、そして、その家族といった形で、それぞれの役割を担っていることぐらいはわかります。

そう、まるで、会社という価値を生み出す仕組みと一緒だし、それはマネジメントそのものじゃないの!っていう印象です。だから、チームスポーツをされてこられた体育会の方を、新卒採用で大企業が欲しがるというのもよくわかります。それは、親御さんも含めてという文脈ですけどね。

 

さて、偶然に見たこの番組の中で、強烈に感じた言葉がありました。それが、バレンタイン監督のおっしゃった、

 

「経験だけは、教えることができない」

 

です。いくらいっぱい練習をしても、具体的に技術を指導しても、試合で実際にやってみないと、そして、失敗も成功もしてみないと、前には進まないんですよね。

 

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ざっきーです。経営者専門の保険屋です、食い意地が張っています(笑)美味しいものは、めっちゃ知ってしていますが、仕事と一緒で、大好きな人としか、ご一緒しません。大丈夫♪仕事は大好きな人とするものだということが、ここ2年のトライアイルで、よーくわかりました。

「顧客を広く、多く獲得しなければならない」などというのは、マーケティングの師匠である藤村先生がおっしゃるっように、今の時代には合っていません。これだけ嗜好が複雑化してしまったら、価値観がそもそも合わなければ選ばれもしないし、だからこそ、自分の好きなことをすればいい、ということを教えて頂きました。

 

この現状を僕なりに翻訳すると、僕の場合は、フィーを一切もらわないコンサルな訳ですし、顧客に選んでいただけない限り、仕事に全くならない訳なので、先に価値提供を行うことになります。

どうでしょう、BtoBの仕事とかって、こんな感じではありませんか?お客様の利益に貢献しなければ、BtoBのビジネスは成り立ちませんから、この「先に価値を提供する」という視点がないと、ビジネス、というかお付き合いそのものが、迷惑だと言われかねませんかね?

 

だとしたら、そもそも無償で貢献する、つまり「先義後利」なので、大好きな人としか時間を共有しない!大好きな人だったら、嫌われるかもしれないけど、一生懸命やれる!だからそうしてみよ!って決めてみたんです。恋愛と一緒(笑)ちょっと怖かったけどね。

 

この判断、まあ、保険屋という仕事としては、とても恐怖(笑)

だって、保険屋の仕事ってのは99%が顧客発見だから(笑)だから、逆をやってやろうと思った訳でもないんですが、よくよくお客様に率直に聞いてみると、僕ほど、大事にされている保険屋はいないようなので、♪まあえっかと。

万人に大事にされるというのは、ある意味浅く広くって訳なので、僕の仕事にはそぐわないかもしれませんし、時代にそぐわないかもしれませんね。

 

究極の話、人生を別に歩むようになったパートナーの方々からも、ざっきーは、担当のままでええと、いわれております(笑)そう、ずーっと担当してと(笑)これ、複雑すぎて普通に理解できない!ってよく言われるけど、今の僕にとっては、それもまるっと普通のことなんですよ。

人の関係ってのは、実はとっても壊れやすいものなんだけど、めっちゃ優しいものでもあるんだから、うわべの付き合いじゃダメなんだよね。コンサル的な仕事って、結果を出してお客様に貢献できないものは、まじ悪だからさ。

 

だからなのかもしれないけど、うわべの付き合いで、本音を語らず、そんなにも必要とされてない方からは、ぞんざいな扱いされているけど、それは仕方がないことだし、だから結果を出せないとも言えるのかも。そんな振り返りをしていた時に、この番組のこの言葉に刺激された訳です。

 

確かに、経験をしてみないと、わかんなことは本当にいっぱいありますよね。それも、経験したことないってこと、怖いですよね。失敗したらどうしようとか、どう思われちゃうんだろうとか、そりゃあ、置き換えてみれば障壁になっていることはいっぱいいありますね。

だって、この野球の話と一緒で、例えば、「ダブルプレーの際は、こう動いて、こうカバーに入りますよね、こうゆう動きをする、わかっていますよね、そして、それを何度も練習しますよね」って状態であっても、試合で、リアルに、緊張する場面で、1アウト満塁で、最終回リードしている状況で、とかだったら、本当にその通りできるますか?って事のです。

 

僕ね、勘違いしていたのかもしれません。

 

僕自身も、新ことをやろうとする時に、経験がないことは恐怖で身体がすくむし、頭は真っ白になるし、そもそもやりたくないですよね(笑)そうだよ、自分も相当に頭でっかちだったよ!ということを思い出したんです。

 

そう、いくらコンサルして、具体的なことを申し上げても、経験がなければ、そりゃ実行するのは怖いっすよ。これ、僕自身はいろんな意味で追い詰められて、生き残るためには「えいやっ」ってやんなきゃいけなかった経緯があるから、ちょっと気付いたのかもしれません。

ごめんなさい、コンサルで僕に追い詰められた人、でも、結果はでたから、許してね♪

そう、自分自身も、過去の「経験」お陰で、まあ、やってみようか、命は取られんし、やらない現実よりは、やって何かが変わる現実を選ぼう!って思えたのは、「経験」があったからかもしれませんね。

 

番組の中で、バレンタイン監督がおっしゃるんです。

仲間を信じるというのは、失敗しても仲間がいるということだと。そう、仲間のためにとなると、力を出せるだけじゃなくって、身体が縮こまり、練習通り動けなくなってしまうこともあるんだと。その上で、結果は全く別なんだと、いうことを理解し、共有しておかないといけないと。。

つまり、成功すればそれはいいけど、失敗しても、その経験が次につながるのだと。失敗した理由だけでなく、たとえ失敗したとしても仲間はそれを責めないし、仲間はそれを否定もしない、受け入れるだけ、そこに本当の価値があるんだと。

そう、結果そのものじゃなく、その緊張感のある場を経験することで、挑戦することや、自然体で臨むこと、そして仲間を信じること、そんなことが自然と形成され、チームとして機能していくと。

なんかね、文章で書けないぐらい、ぐっときたんすよね。

 

思い出すのは、今までの僕自身の経験です。

会社員としてチームで仕事をしていた時も、フルコミションの営業として仕事を始めた時も、経験した結果が積み重なって実績につながってきたし、失敗しても仲間がカバーしてくれたり、失敗してもそれを見て頂いていたお客様がカバーしてくれたり、失敗そのものが、新たなビジネスのヒントになったりきっかけになってきたことを、今更ながらに、腹落ちして理解することができました。

そうか、だから、頭で理解するんじゃなく、何とか身体を動かして行動して、そして成功も失敗も含めて「経験」するんだと。そして、素直に自分の価値を信じて、恥ずかしがらずに「経験」していく方が、生き方としてもとても無理がないんだと。

 

そんなことを考えますとね、ちょっと気付いたことがあるんです。

僕のお客様は、最近は、ほとんどが経営者という立場の方なのですが、そうは言っても創業者の経営者の方と、後継者の経営者の方では、違いがあります。

あくまでも一般論ですけど、創業者の経営者の方は、そもそも「経験」がないので、経験をすることに躊躇しませんし、ガンガン失敗しても突き進んで行かないと、その数多くの経験の中で、チャンスを掴んで行かないと、資金が時間切れになりかねませんから、そこは凄いなと。まあ、立ち止まる時間もないので、そんなこと考えとる時間がないわ!って感じかもしれませんが。

 

でも、後継者の経営者の場合、ご自身の「経験」はないものの、先代が経験の上に積み上げられた経験則を踏襲しなくてはならないし、経営の目的が事業の継続性に移ることもあり、なかなか経験に基づく失敗、ということを体験しにくい状況にあるのかもしれません。そりゃそうですよね、わざわざ先代が経験された失敗を、また、経験する必要はないのですから。

でも「経験」って、もの凄い価値かもしれません。なんでこんなことを言うのかというと、従業員さんに対して、新しい経験をする場の提供ができるかどうか、そう、権限の委譲ということが結構難しいハードルになってるんじゃないか、というケースに接することがあるからです。

まあ、この「権限の委譲」ってのも、僕の理解は「判断は全部任せるから、結果責任は経営者がかぶるよ」っていう、どう考えても不条理なことを、経営者が受け入れない限り、を従業員の方は「経験」できませんから、やるしかないのですが、なかなかできませんよね。

言い方を変えれば、「手柄は従業員、失敗は経営者」ってことですから、経営者ご自身が、バレンタイン監督の言うように、仲間を信じ、失敗しても良くて、挑戦し続けることをしていかないと、その次の人材を従業員さんに求めても「経験」をさせてないから無理が出てくるんじゃないのかな、って思うんです。

 

今年の4月から、社内での移動があって、ざっきーも、ちょっとは若手(僕、まだ年齢的には若い方なんですが、社歴では今のマネージャーよりも先輩なんす)を育てるの手伝って、ということで、いろいろ観察しているんです。そんな状況なので気付くんですが、この「経験」をしてこれた方は、ほっておいても仕事できちゃうんだけど、「経験」しないで頭で考えたりするタイプは、かなり苦戦しちゃうんですよね。それで、真面目だったりすると、かなり苦戦します。

今までは、そうはいっても、フルコミッションなんだからやんないと破滅だよ!って言ってたんですが(真実すぎて怖がられた)そうじゃなくって「経験」したことがないことに挑戦する場合の不安そのものは理解できるから、何があってもギリギリまで寄り添うし、失敗しても大丈夫、一緒に受け入れるから、試してみようよ、というスタンスに変えようかと思います。

そう、ちょっと形は違うけど「うまくいったら君がすごい、失敗したらザッキーが悪い」で行こうかなと(笑)

 

そう、経営者の皆さんもございませんか、ちょっと苦手だなとか、ちょっと辛そうだなとか、失敗したらどうしようとか。でも、それこそが、経営をしていく上で、一番行動を妨げるバイアスだし、負けちゃうと、現状維持しか考えなくなるので、やばいことなのかもしれません。

だって、関係ないと言っても、世界はこんなに激変しているし、現状維持をするということは「変化をしない」という宣言になってしまう。それは、変化に対応できないのであれば、生き残れないという「継続性」の根幹をなす法則に引っかかりますよね。

「経験は教えることができない」のだから、経験してみるのが一番早いし、経験する場を提供するのが一番かもしれません。いっぱい経験して失敗してきた僕だから、ちょっとだけその意味が沁みるのかも知れませんが。

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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