世代間ギャプ?アセット(資産)からシェア(共有)へ

自分が歳をとってきた事を認識する事として、

クライアントが、どんどん年下の方が増えてくる、

ということがあります。

 

僕だけかもしれませんが(笑)

 

そんな方々との会話の中で感じるのが、

世代間の価値観のギャップっです。

ちょうど、僕の世代、

つまり、社会人や学生として、バブルを経験した世代と、

それ以後の世代では、どうも、大きな違いがあるように思います。

 

さて、僕はざっきー、保険屋さん、

経営者専門で、大好きな方の事業価値向上のお節介を、焼きますよ〜

です。

 

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では、違いとはなんでしょうか?

 

それは、僕より上の世代は、アセット(資産)に価値をおき、

僕よりも下の世代は、シェア(共有)に価値をおいているかな、

という事です。

 

もっとも、こんな事は、個人差もありますし、

個別に見ていったら違うかな、とは思いますけど、、、

 

例えば、アセット(資産)に価値をおく世代は、

持ち家、自家用車、に代表されますが、

立地はどうだ、どんな住まいかや、

どこのブランドの車で、グレードはなんだ、

という、自分がどう見られるか、自分がどう評価されるのか、

という、承認欲求の部分が多い気がします。

 

でも、シェア(共有)に価値をおく世代も、

もちろん持ち家、自家用車もありますが、

そこに誰を呼ぶのかとか、誰とその車を使うのかとか、、

ちょっと違うんですよね、立ち位置というか、視点が。

 

もっと言えば、所有といっても、

こだわったスニーカーだったり、

カスタマイズした自転車だったりと、

そのモノのブランド価値ではなく、

価値観を共有し合うもの同士の共感欲求

を大事にしているような気がするのです。

 

あの、これ、あくまでも、僕の感覚ですから、

その点はご理解くださいね。

 

まあ、

僕が若い世代から、かるーく言われる事ですが、

「ざっきーも含めて、上の世代の人の、終わったブランドや、

 自分を大きく見せる価値観とか、ちょーダサいよね」

って。

 

ちょっと、イラってするけど!そうなんだから、、、

反論できないのが現実です(笑)

 

でね。

どうして、そんなに価値観が、違うんだろ、

って思ってたんですけどね、

最近、ちょっとこれかも、って事に気が付いたんです。

 

それは、

僕の場合、クライアントは経営者が多いので、

その側面から見ますと、

従事されている、事業の構造の違いです。

 

アセット(資産)にこだわられる、僕よりも上の世代は、

製造業や、建設業といった、製品原価などがある業種が多いのですが、

 

シェア(共有)にこだわられる、僕よりも下の世代は、

サービス業など、製造原価がない業種が多いのです。

 

思い出してください。

 

損益計算書(P/L)には、5つの利益があるんですよね。

1)売上高から、製造原価を引いた残りの、売上総利益

2)売上総利益から、販売費および一般管理費を引いた残りの、営業利益

3)営業利益から、本業以外の営業外損益を除いた、経常利益

4)経常利益から、突発的な事象である特別損益を除いた、税引き前当期利益

5)税引き前利益から、法人等を除いた、税引き後当期利益

ですよね。

 

で、製造原価というのは、製品などにかかりコストな訳なので、

作った分は多くかかるし、

それが売れて、多く必要になれば、それはそれで掛かるから、

売上に変動して変わるので「変動費」なんですよね。

 

で、販売費および一般管理費ってのは、

売れようが、売れなかろうが、

常に一定の割合でかかる経費として「固定費」て、

呼ばれている訳ですよね。

 

僕よりも上の世代の方の話というのは、

経費には、この変動費と、固定費があって、

どうせ、固定的に出てしまう支出であれば、

経費とするよりも、

資産として、取得したほうがいい、

という思いの方が多く見受けられるんです。

 

でも、僕よりも下の世代の方は、

事業そのものが、サービス業、特に、ITだとすると、

そもそも、製造原価という、

変動費の概念がなく、

本来、固定しとしての概念である販売費および一般管理費が、

経費そのもの、という捉え方が多くなります。

 

また、価格競争の中で、戦略的にも販売単価を変動しますので、

おのずと、固定費である販売費および一般管理費を、変動費として捉え、

常に変化させたり、最悪の場合は、リスクヘッジとして、

ダウンサイジングできるようにされています。

 

つまり、販売費および一般管理費を、流動的にとらえ、

経営者ご自身の役員報酬がロックされることこそ、

リスクとして避ける、という思想すら持っていらっしゃるので、

おのずと、稼ぐ時は、莫大に稼げることに注力し、

稼ぎ時が過ぎたら、粛々とダウンサイジングできるように、

しているんですね。

 

だから、個人としても、アセット(資産)の所有にこだわらない

という訳です。

 

僕が、いろんな相談を受ける中で、持ち家ってどうよ!って、

話題があるんですが、

僕よりも下の世代の経営者の方って、

自宅は、儲けたキャッシュで、そのまま買うか、

賃貸でお子さんの成長に合わせて棲み分けたりされているケースが多いんですね。

 

まあ、僕の価値観でもあるので、

それに共感するのかもしれませんが(笑)

 

で、

とはいえ、今は金利が最低水準なので、

経営者の視点からすると、ファイナンス、という観点でいえば、

これをうまく利用したほうがいい訳で(本当はいけないのですが)、

住宅ローンで(そうじゃなくても、事業用ローンでも金利低いし)、

物件を取得し、賃貸で回して利回りを得て、資産形成を行う、

という判断をされる方が、やけに多いかなと(笑)

 

そう、ルックスルーして考えれば、わかりますけど、

住宅ローン返済中の自宅って、アセット(資産)とは言えませんよね、

だって、所有は住宅ローンの債権者のものだし、

収益を生んでいる訳じゃないからね。

 

まずは、事業で稼いで、

税金払ってでも、個人にキャッシュを移転することと、

事業の自己資本比率を高めることを、きっちりやって、

個人でも、事業でも、ファイナンスできる状況にしておけば、

いつでも資金は引っ張れるわけだし、

そもそも、ドッグイヤーのような現在では、

今期は莫大に儲かっても、

来期は、わからない、って事も多い訳ですよね。

 

いつでも経費、つまり、経営者の役員報酬も含めた

販売費および一般管理費を、下げられる状況を

作っておかないと継続そのものが危ういし、

 

さらに、

「今後、金利上がったら、借り入れ多い企業、やばいから、

 逆に、チャンスだよね」

何てことを、サラッと言っている訳です、はい。

 

皆がそうだとは、言いたい訳ではありませんが、

こだわりや、価値観は、流動性が落ちるアセット(資産)ではなく、

身軽なシェア(共有)という流れは、

皆さんも、感じられているのではないでしょうか?

 

人口が増加し、欲しいモノはいろいろあって、右肩上がりの成長の時代と、

人口は減少し、欲しい者はもう全てあり、低成長の時代では、

価値観が違ってきますし、事業の捉え方、考え方、あり方が、

従来の事業モデルとは変わってくるのは、当たり前じゃないか、と思う訳です。

 

今は、その、分岐点かもしれませんし、

事業を継承する場合でも、

事業の内容を変化していかないと、

継承そのものが、重荷になってしまうこともあろうかと、、、

つまり、継承もできないなんてことは、何よりの悲劇ではないでしょうか。

 

僕自身、身分は会社員ですが、給与の保証はまったくない、

フルコミッションの仕事を約17年も、やっていますので、

経費を変動費化することについては、かなり身についています(笑)

 

これ、できなきゃ、破綻しますからね!まじで!

事実、破綻しているのいっぱいいるし(涙)

 

だから、どちらかというと、このアセット(資産)から、

シェア(共有)への流れは、必然だと思うし、共感できるのかもしれません。

 

だって、この価値観が広がってきたら、アセット(資産)も、

流動性(売り買いされる、需要と供給があるということ)が減ってきますから、

アセット(資産)と、言えなくなるかもしれないからです。

まあ、直ぐの話じゃないと思いますけどね(笑)

 

さて、皆さんは、どうお感じになられますか?

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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