世界で起きていることは関係なく思えても、関係しちゃうんだなこれが

『アメリカ大統領が誰になろうとも、関係ないだろ!今の経済状況にも、政治にも興味ないのに、ブログに書いたり、SNSに流すんじゃねえ』っていうエントリーを、拝見したので、そうかな、そうなのかなって思って書いたブログです。

 

確かに、僕も仕事が日本国内のドメスティックな業種ですから(笑)そりゃそうなんですが、でもね、意外と関係しているし、70年前に起こった戦争の後は、世界はグローバル化していく中で、いいことも、悪いことも起こって、最近は、その揺り戻しがある感じなんですよね。

特に、日米関係というのは、僕らが否応なく関係している社会や経済で繋がりすぎているし、大きな流れってのは、僕は、知っておいて欲しいなって。

そう思ったので、僕大好きな経営者の皆さんに向けて書いてました。それ以外の人のことは、想像もしてないから、ごめんね、スルーしてね。

 

さて、そもそも、世の中は不条理です、だから面白いんだけど(笑)

70年近く、大きな戦争が起きないってことは、「世界中で格差が拡大し、固定されている」ということ証左でもあります。

人が生み出す価値の源泉である事業というものを、その歴史からいろんなことを学びとる「経営史」という切り口で見ても、70年間という時間は、創業者よりも、後継者が増えてきている現状から、格差の拡大と固定があることは、一目瞭然です。

「20世紀の資本論」で、ピケティさんが明らかにしましたよね。

 

そんな格差の拡大と固定が行き過ぎると、戦争が起きて、リバンランスされて、社会秩序が維持されてきたわけで、それを理性的に抑えないと、本当に酷いことになることも、歴史は証明しています。

だから、皆さんも薄々気づいていると思うんだけど、いろんな意味での「差」というものは存在するし、それが臨界点を超えつつあって、炙り出される世界になってきたわけです。

すると、知らなければ、気づかなかったことも、気づいてしまうから、それが大きな潮流になりなねない、そんな一例が、最近の世界の動きなんじゃないのかなって。

 

やっぱり、バタフライエフェクトの例えの通り、世の中の全てはリンクしてるし、それがWEBや、SNSという道具の発展で、加速している気がするのね。

もう、リンクしちゃっているんだから、そうじゃないとか言ってみたり、隔絶してみたり、切り分けたりしないで、全部まるっと受け入れたほうがいいと思うんだけどな、って思ったります。

 

大げさに行けば、グローバル化で利益を得た、上位20%の所得層と、グローバル化で何も得なかった他の80%層の分断が、お互いの置かれた立場を客観視できないし、価値観も相互理解ができないほど、分断が進んでいる、ということじゃないのかなって。

つまり、グローバルと、ローカルの揺らぎで、ローカルへの揺り戻しが始まっているとイメージすると、いろんなことがリンクしませんかね。

 

まあ、そんな文脈の中で、例のアメリカ大統領選挙っていう、民主主義のイベントを、紐解いてみます、ざっきーなりの解釈なので、ご容赦を。

冒頭の話じゃないけど、アメリカの大統領が誰になろうとも、一般の人の生活に関わりなんてない!っていう話はありますが、、、

「プラダを着た悪魔」という映画でもあったように『VOGUE』という雑誌で方向付けがされた流行色というのが、まわりまわって、ウォルマートストアの安いファストファッションにすら影響を与えてしまう、という話と一緒で、確実に影響します。

 

そういった影響を感じられないのは、ゆでガエルと一緒。

だから、僕は、大好きな経営者の皆さんにはどうしても伝えたく、こうやってブログにします。

 

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目次

  • ながいまえがき
  • 数字から見える、シンプルな当選理由
  • トランプ氏の政策は、今後どうなるの
  • ちゃんと考えれば、わかることだと思うんだ

 

数字から見える、シンプルな当選理由

さて「もしトラ」が起きた現在、多くの論調は「アメリカの分裂」「白人社会の奪還」などというとても情緒的な記事内容になっていまして、世論調査の方法や、そのデータ分析の精度などという話はあまり上がってきてはいません。

そう、とても情緒的です。

 

僕は、仕事としてはファイナンスの世界にいるから、数字を客観的に見る事ができます。楽天的でもなく、悲観的でもなく、数字としてみていきます。

だから、今回のアメリカ大統領選挙においても、数字を見ていると気付く事がありますので、付き合ってね♪

 

それが、この数字です。

 

一般投票数の内訳
クリントン氏 6,082万票 トランプ氏 6,026万票

 

まあ、総得票数では、クリントン氏の方が多いのですが、合衆国である以上、週毎に選挙人というのがいて、その人数で連邦政府の行政の長である大統領を選ぶという制度ですから、こうゆう事もあり得る訳ですね。

で、問題はそこじゃなくて、この結果を見て、マスコミが言っているのが、両者は拮抗していて、それが分断につながっている、という結論への論理展開がおかしいと思うんです。

 

たった4年前の、2012年の大統領選挙を見てみましょう。

 

一般投票数の内訳
オバマ氏 6,591万票 ロムニー氏 6,093万票

 

気付きますよね!共和党候補への一般投票者数は一緒ぐらいなのに、民主党候補への投票数は、何と600万票近く、減っているんですよね。

 

アメリカという国は、人口が約3億人、有権者というのは自動に付保されるわけではなくて、登録しないといけないから、ひと手間掛かると言っても、投票率自体が低いの分かりますよね。

だって、近年は人口流入が続いていて、若年労働力人口も増えて、結果、二大政党の支持者である党員は増えていないとおかしいですよね。

ね、気付きましたよね!これ、おかしいでしょ。

 

つまり、この数字から見えるアメリカ大統領選の結果というのは、アメリカが分断されたわけでもないし、白人至上主義が台頭した訳でもなく、、、

単に、民主党員が投票に行かなかった、というのが理由です。

 

だってそうだよね、民主党員が選挙に行かなかったから、勝てると言われていた上院議員選挙も負けちゃったし、まあ、それぐらい、ヒラリー氏が嫌いだったのか、それもとも、手を抜いたのかわからないけど、選挙ってのは行って、投票してなんぼ、という事です。

そう、行動こそが全てです。

 

これ、Brixitと同じ構図です。

 

世論調査からすると、そんなことは起こらないと思っていて行動しなかったら、結果は思いもよらぬことになった、ということです。

それぐらい、マスコミやインテリ層を中心としたグループと、普段は政治にすら興味を持たなかったグループとの意識の差が開いていて、手を抜いたほうが現実を知った、ということです。

 

ちょっとだけ、専門的に言えば、選挙人を抑えるというアメリカ大統領選の特性上、州別に、ある程度の予想ができたはずなのに、民主党が絶対的に優勢だった、ミシガン州、ペンシルバニア州を落としたというのは、明らかに民主党員のタガが緩んでいた証拠です。

総得票数で見れば、ヒラリーは勝っていたのに、足元の民主党員の600万人という僅かな人たちが行動しなかったことで、大統領も、上院も、下院も共和党になりました。

そりゃあ、株価乱高下するわな(笑)

 

だからこそ僕の場合は、大統領選挙の前から、何かあったら日経平均落ちるだろうと思っていて、日経平均先物のプットオプションを仕込んどいた訳です。これがリスク(不確実性)から、資産を守る方法の一つです。

経営者の皆さんに対する保険屋でしたら、この程度の知識があって当然だし、変額保険などを薦めてくる担当者ならば、このリスクヘッジ手法の話は聞いていますよね!

これを話していないとか、理解していないなら「素人」です、まじで注意してね!

 

さて、という事で、何と、数字が導き出した結論は、民主党という政党を支援してきたエスタブリッシュメントの方々が、ヒラリー氏が嫌いで、選挙をサボタージュした結果、、、

何と、真逆の主義主張の共和党に塩をおくり、ドナルド・トランプ大統領誕生に利してしまった、という事なんですよ。

で、大事なのはこの後で、じゃあ、トランプ大統領になったら、何が起きるんか、という事ですよね!

これは、ざっきーの予想ですが、書いてみるね。

 

トランプ氏の政策は、今後どうなるの

まずさ、大前提のファクトを抑えたほうがいいと思うんだけど、それは、アメリカの労働人口が先進国の中で唯一増加し続ける、という事です。

これはトランプ大統領になっても変わりませんよね!これを抑えておいてください。

 

そして、影響がすでに出ているものとしては、パリ協定の見直し、つまり、地球温暖化のプロセスについては、中長期的にも後退するという懸念、があります。

でもね、現段階では、実はこれぐらいなんですよね。

 

だって、大統領選でトランプ氏が掲げた政策らしい政策って言うのは、4つぐらいしかありません。

 

1)メキシコとの国境に壁を作る

2)すべての貿易交渉の見直し

3)高額所得者への課税の減少

4)オバマケアの見直し

 

1)は、メキシコが予算を出すわけもなく、アメリカ主導で行えば、巨大な財政出動で、GDPは増えるだろうし、まあ、上院下院乗共に共和党の議会が、そんな巨額の財政出動を認める訳もなく(笑)

 

2)は、TPPは確かにアウトだとは思うけど、TPPって外交政策、安全保障だから、その観点からの見直しもあるだろうし、そもそもアメリカも、日本もGDPに占める貿易の割合って小さいから、それが大きな影響になるのかって話。

TPPは日本主導でのアメリカ抜きのFTAだってある得る訳だし、そんなに悲観する事ばかりじゃない。

 

3)高額所得者への課税の現象ってのは、それこそ、金融機関には追い風だし、日本からアメリカ市場に対して投資しているというポジションであれば、マイナス要因じゃないですよね。

 

4)は、それこそ、オバマケアを見直すといっても、オバマケアによって救われた無保険者を、再度無保険者に突き落とす、という事になりますから、そんなことが実際に可能なのか、という観点になります。それに、オバマケアで保険を得たのは、実際上は多くの「トランプ支持者」ですから、そんな簡単にこの矛盾を解消できるとは思えません。

 

何か、ちゃんと政策を見てみると、トランプ氏が大統領になったからと言って「不況が来る」とも言えませんし、本当に「メキシコ国境に壁」なんか作るなら、それは公共投資を増大させるんだから、GDPは増えますし、もし、選挙の際に言っていた、1,000万人を超える移民を送り返したら、それこそ、内需の中心である消費をつぶしますから、それを選択する事はあり得ない訳です。

トランプ氏って、ビジネスマンですからね。支持者の多くもそうだけど。

 

アメリカ大統領は、確かに外交と、軍事において権力を持っていますが、議会との関係がうまく機能しないと、できる事とは限られます。

ねじれのあった、オバマ大統領を見ていれば分かります。

 

今回は、久しぶりに、上院下院共に共和党が抑えましたが、これこそ、トランプ氏の独走を許さない制御棒になっていまして、それらを考えると、自ずとトランプ氏の取りえる政策が見えてきちゃいます。

 

ざっきーのイメージでは、下記の4つの政策かなって。

 

1)金融業界への規制緩和も含めた、国内経済の強化

2)インフラを中心とした、公共投資の増大

3)高額所得者を中心とした減税

4)TPPの撤廃および、国内産業保護への保護貿易強化

 

じゃないのかなって。

海外での米軍派遣や、再編成の見直しは今も続いているし、日本から駐留米軍を引き上げたら、現段階でも日本政府が75%負担しているその予算を、どう負担するのか!って問題になるし、そう簡単にはいかないでしょう。
そう、経済的にうまくいかないのです。

 

2018年には、アメリカでは中間選挙(上院下院議員の選挙)があります、景気が悪けりゃ、共和党は負けるので、景気が悪くなる政策を打てるはずがないのです!

しかも、ビジネスマンですからね(笑)これがポイントです!

 

ちゃんと考えれば、わかることだと思うんだ

という感じで書き出してみるとね、アメリカ経済にとっては、マイナスじゃないことに気付きませんか?

 

まあ、共和党政権は基本的には財政出動緊縮なんですが、前のブッシュジュニア政権の時に、莫大な財政出動をして、結局は、オバマ大統領が8年かけて、その穴を埋めたんですよね。

 

まあ、そんな財政状態だし、ビジネスマンだったら、まずは投資!って考えるでしょうし、今のうちにアクセル踏んで、あとで回収すればいいというのは、一種、経済合理的にはあり得る政策の打ち出し方です。

 

公共事業も「メキシコの壁」じゃなくても、オバマ時代に葬り去られた高速鉄道網とか、日本にとっては、新幹線システムの売り込とかってことすら考えられるわけです。

 

ね!それに、多分、ウォール街を中心とした金融に関しては、2010年に成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法)の核心部分の撤廃を含む規制緩和がなされるでしょうから、、、

株価上がるよね。

 

それに、FRB議長も含めた任命権は、下院が持っているんだけど、これも共和党が抑えたから、利上げ抑制の圧力にもなるし、、、

株価上がるよね。

 

それと、オバマ政権の時の、理念は崇高でも現実的には緊縮財政から、ビジネスマンとしての背景と、共和党との妥協ああるとしても積極財政に政策が振れていくのであれば、

長期金利も上がるよね。

 

だからさ、これからはどこに皆さんの価値の交換手段であり、保存機能である財産を置いて置けばいいのかってなると、もの凄い簡単な回答になってくるんですよ!

何もしない、関係ない、考えない、ってことは、日本円で置いておくってことなんだけど、本当にそれだけでいい?

伝わるかな?

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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