ストレイト・アウタ・コンプトンを見ると、心を揺さぶられるよ♪

ざっきーです。経営者の皆様に、ぜひ、見ていただきたい映画があります。それは、伝説のヒップホップグループ、N.W.A.を描いた映画の「ストレイト・アウタ・コンプトン」です。

 

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そう、ギャングスタ・ヒップホップの伝説のグループを描いた映画です。そんなの知らない?関係ないって?

そうですか、そうですよね(笑)

 

でも、これぐらい知っておかないと、若い世代の価値観の一端もわからないし、世界中で格差や、差別が蔓延して、特に米国で何が起きているのか、これからどうなるのかの文脈が、ますますわからなくなりますよ。

日本だってそうだもん、ヘイトスピーチも、反原発も、根っこに流れる文脈はいっしょ、都知事選の結果って、誰が勝ったかじゃなくて、3位以下のだれが何票集めたか、の方が問題だから、やばい状況だとおもうよ。

 

あのさ、世の中は、綺麗なものや、おしゃれなものや、かわいいだけじゃないし、ビジネスのヒントは、真逆な世界にあったりするんだよね!

ビジネスに関わりがあるっぽい、ジョブスの映画とか、ザッカーバーグの映画とかって、普通じゃね?

そんな、誰もが解説できる情報を、僕が案内しても、それはリスク(不確実性)ヘッジにはならないから、あえて書きます(笑)

 

皆さんは、ラップとか聞かないすか?

50セントとか、スヌープドッグとか、エミネムとか、聞いたことありませんか?まあ、あんまり関わらないジャンルかもしれませんが、英語を学ぼうにもスラングだらけだし、、、

でもね、独特のビートとリズム、そしてどこか体の芯に響くグルーブ感、意味はわからなくても、何かに抗う反抗心や不条理な暴力、ぞくぞくする何かイケないものを感じることができます。

 

まずは、こちらの「ストレイト・アウタ・コンプトン」の予告編から。

 

N.W.A.という伝説のギャングスタ・ラップのバンド

 

さて、N.W.A.っていうバンド名から、これ、省略しているならいいのですが、正式名称は、米国では放送禁止です。

「Niggaz Wit Attitudes」って、ニガーって段階でアウトですよね(笑)

そう、差別用語なんですよ、これ。まあ「喧嘩腰の黒人たち」って感じの意味で、正式名称は放送できません(笑)

 

で、この彼らが育った地域が、コンプトンという街です。ロスアンゼルスにあるコンプトンという街の、しかもその中のサウスセントラル、というエリアがあって、5キロ四方ぐらいなんですが、年間200人ぐらいが殺されるっていう超エグいエリアです。

 

そこでは、2つのストリートギャングが、ずっと抗争をしてて、ブラッズとクリップスというグループがあって、ブラッズが赤のバンダナ、クリップスが青のバンダナを身につけていて、そう、カラーギャングの意味ってここからなんですよね。
そんな、治安の悪いところで金を稼ぐのは、ヤクか、銃の密売ぐらいです。

だから売人同士が、客を取られた取ったで直ぐに争いになるし、ケツ持ちするためにギャングが存在することになります。だから何かあると、直ぐに街角で殺し合いが起きるって事。

 

なんで、ざっきーがこんなこと知っているかって?

僕、渋谷の夜の世界で仕事をしている頃って、このN.W.A.の影響でカラーギャングの真似事で、チーマーとかがあったんです。その当時のあの子たち、後輩ですけど(笑)2回ぐらい身元引受けに行ったなぁ(笑)みんな、今、どうしてるかな〜

 

実は、みんな育ちのいい、いい子たちで、たまに、ビジネスの世界で「あのー」って言われて「ああ、あの時に一緒にやんちゃした!」なんて話になったりして、超、面白いんだけどね(笑)

意外と社長とかになってて、事業もちゃんとしてて、ヒリヒリした世界にいた経験は、人を鍛えるんだよなって思うんです。

 

その、もの凄い地域が、コンプトンのサウスセントラル、そして、「ストレイト・アウタ・コンプトン」というのは、「コンプトン育ちの本音」みたいな意味なんです。

それまで、こんなに危険な地域での価値観なんてのは、このN.W.A.が世に出てきて、発信をしない限り、全くメディアに露出してなかったんですよね。

 

年間200人もの死人が出て、ヤクと銃にまみれているこの地域で、何が起きてて、何を考えて人が生きているのか、誰もわかっていなかったんです。

だから、N.W.A.の意義ってのは、そんな怖いところでも、人は生活しているし、では何を考え、どうしてそうなっているのかって事を、初めて明らかにしたんです。

 

人種差別は今もあるし、僕らもしてないか?ってこと

 

この後に起こる、ロサンゼルス市警の白人警官による、犯罪者ではない黒人市民への過剰な暴行事件をきっかけとして、ロサンゼルス暴動にまで発展する根っこが、ここになります。

 

今も、唯一の成長市場である米国の暗部がここにあり、昨日も、武器を持たない黒人を、白人警官が射殺するという事件が起きています。

この、分断された憎しみや差別は、米国の問題じゃなくて、日本でも、僕らの周りでも十分に起きていることに気づきますよね。

 

殺人までしなくても、群れる、排除する、避難する、晒し者にする、、、

SNSによって、さらなる憎悪の拡大がなされていることも事実で、何とも切ない気持ちにもなりますね。

他人を理解すること、理解できないなら違う価値観があるということを尊重すること。これらは、経営者の皆さんが持っていないと、必ず従業員さんや、取引先さんや、家族にまで、分断をもたらしてしまう、大事なことだと思うんですね。

 

人がどうしても自分を守るために持っている先入観や、知らないから排除するという、憎悪を発生させる装置は、意識してトレーニングして排除しないと、稼働しちゃいます。

それは、本当に悲劇につながるので、特に経営者の皆様には伝えておきたいのです。

 

では、あらすじ、なんぞ

 

さて、この映画は、N.W.A.の結成から絶頂、そして解散と再結成直前までを描いた、僕から見ると、音楽バンドを舞台にした青春ドラマです(笑)

でも、その背景には、80年代後半から現在まで続く、米国における人種差別と所得格差の問題をきちんと描いていますし、僕自身が東京に出てきた時期と、まるっと一致するんですね。

だから、とても思い入れがあるんです。当時の空気感っていうのかな、ストリートっていうけど、僕の頃は、まだ、ヤンキーと、チーマーの移行期で、いろんなことがあったから。

 

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ちょっとネタバレになちゃうけど、登場人物のメインは3人、N.W.A.のフロントマンのイージー・E、歌詞を担当したアイス・キューブ、そして楽曲をてがけたプロデューサーのドクター・ドレーの3人です。

 

ちなみに、イージー・Eは、確かギャングの元一員です。

それでも、当初の活動費を彼が出資してN.W.A.がスタートします。後には、ホワイトハウスにも呼ばれるし、31歳でAIDSで亡くなって再結成ができなくなるんだっけど、AIDSの啓蒙活動にも影響を与えた人なんです。

 

アイス・キューブは、非常に勉強ができる優秀な生徒で、コンプトンの外の学校に越境してて、後にフェニックス工科大学も卒後してるって、マジ、めちゃ勉強してなきゃ、日本と違って米国の大学って卒業できないし!その後は、俳優や、映画などもされています。

 

ドクター・ドレーは、プロデューサーとして、スヌープドッグとか、あのエミネムを世に出した人ですね。それに、実業家としても「b」マークの入ったヘッドホン、beatsって言いますけど、あのブランドを軌道に乗せて、appleにバイアウトしたんです、はい、実業家としても凄いです。

彼も、アイス・キューブと一緒で、勉強もできたようで、ただ、音楽にのめり込んでくタイプだったようですね。

 

みんな、何者かであろうとして、やることやってきて、そして挑戦したから、伝説と言われるほどの成功を遂げることになったんだと思います。

チャンスは、いつでも、どこにでもある!ってことなんですよね。

そんな彼らが、ギャングスタ・ラップというジャンルを作り出し、世界中で起きている人種間、世代間、階層間の断層を、晒す手段として、発信する手段としてのラップという世界を提示してくれました。

それを、聴いた僕らは、何かを感じるはずなんですよ、それは、間違いなく、何かこれおかしいよなって感覚です!

 

僕は、音楽の力ってのは、そうゆうきっかけになることなんだと思うんです。これ、めっちゃ凄えことだと、僕は思っています。

だからさ、ぜひ聴いてみてね!

 

とはいえ、やばいって曲もいっぱいあって、「Fuck Tha Police(フ××ク・ザ・ポリス)」なんて曲があるんですけど、メディアでは流せないはず(笑)

ほとんどが「フ××ク、フ×ック、ファ×ク」ってだけじゃなくて、ポリスについてのラップだからね、訳したら、本当の現実がそこにあって、僕らがイメージしていない、人種差別の問題が、まだまだ根深くあることがわかります。

このあまりにも過激な歌詞なので、確か、デトロイトとかのツァーで、事前に警察から「絶対に、フ××ク・ザ・ポリス」はやるなと言われてたのだけど、ライブでやっちゃって、最後は銃撃戦にまでなっちゃったって話があるぐらい、社会問題化したんですよ。

でも、そこまでなったこの問題は、今も続いている、、、この現実を僕らは受け止めないといけません。僕らも言いがちですが、それ、マジでおかしい話だからね。

 

まあ、そんなこともあってFBIとは対立するは、議会にも規制のテーマに上がるは、ギャングを増長させているんじゃないか、社会との対立を煽ってるんじゃないかとか、問題になったんです。

デモとかっていう、プロ市民によって使い古されたプラットホームじゃなくて、自分たちで新たなものを作り出さなければ、社会運動にはならんのです。フェスが違う感じたのは、この圧倒的な空気感と、同世代の支持の差です。

ギャングスタ・ラップを支持したのは、黒人の若者だけでなく、白人の若者もだったんですよね。いつか、そのカリスマ、エミネムについても、僕が書く時がくるでしょう(笑)

 

あの、この話題、ざっきーって、イメージが違うって思われるかもだけど、僕は、もともとこんな人。表現してないだけなんだけど、出したほうがいいのかな?って思ってね。

僕自身も、ヒリヒリする思い、いっぱいしてきたから、覚悟のない根性のない人、わかっちゃうし、表現てのは、そうゆう感性を磨くってことね。この映画を見てると、そうゆう感じ、わかるんだけど、大事な感覚だと思うんだよね。

 

強烈なメッセージ、権力に巻かれると、人は悪魔になる

 

映画の中に出てくるシーンで、強烈なのはさ、アイス・キューブなんかが、ちゃんと学校行って、帰宅したら、何かでパトカーが来てて、「お前なんだ、そこに伏せろって」「何してるじゃねえよ、何かすんだろ」って警官に一方的に押さえつけられるんですよ。

日本の職務質問と違いますからね。

「全員、そこに伏せろ!」って、ボコられるんですよ、警官に。

 

だから、まじ頭に来て、表現として歌ってるわけで、歌詞の内容が、「俺たちは黒人だというだけで、警官に殴られる、車の中をあら探しされる、警官どもは、黒人と見りゃ、みんなヤクの売人だと決めつける」なんて感じの詩になるのですね。

だから、N.W.A.の歌ってのは、「俺たちはギャングじゃない!」っていう意味なんです。

現実の人種としての黒人が受けている、理不尽な扱いに対しての、真正面から向き合った、主張なわけです。

それを、人種を超えた同世代が共感した!この点をきちんと描いていることに、この映画を僕はとても評価しています。

 

だから、ギャングスタ・ラップってのは、凶暴な音楽だとか言っている側に、経営者の皆さんにはなってほしくないんです。

そんな体制的な視点になったら、革新も、未来も遠ざかるだけないのです。恋愛や、きれいごとだけが、音楽じゃないって思うんです。

 

この映画を見ると、イメージだけで物事を決めないで、背景や、その立場にまでなって、想像をして欲しいのです。

本当にそれに気づくからさ、マジ見て欲しいんだよね。

 

「ストレイト・アウタ・コンプトン」は青春映画だと、僕は言いましたが、それは、最初に仲が良かっった、幼馴染が、同じ想いや境遇をもとに、一緒にやろーぜって、バンドを始めて、上手くいくんだけど、お金や、思惑が元で、バラバラになっていく話でもあります。

でも、みんな、いろんな成功と失敗を経て、イージー・Eが、また一緒にやろうぜ!っていう再生の物語でもあります。

でも、イージ−・EはAIDSで死んじゃって、再結成にはならないんですけどね。でも、本当に青春映画としてみても、いいですよ。

 

僕が泣いたのは、映画のエンドロール

 

この映画、映画館で公開されていてみてた時に、うるっときた点があります。

この映画のプロデューサーって、アイス・キューブと、ドクター・ジレーと、亡くなったイージー・Eの奥様なんです!

途中、仲間割れして、ディスりあってたのに、最後は3人の名前を見た瞬間に、号泣(笑)

スーツ姿のおっさんが、観る映画でもなけりゃ、それで泣いてるって、、、ねえ(笑)夜で良かったと思いましたよ。

 

この映画、全米で公開されたのが昨年の8月、そう、実際に20年近く経っても、黒人への警官の扱いが変わってないという、もの凄く根が深い問題であることがわかりますか?

共和党の大統領候補であるトランプ氏が大統領になった場合、経済の側面ではなく、世界最大の成長市場である米国に何が起きるのか、そして問題の本質は何なのか、これを間違って捉えないことがとても重要だと思います。

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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