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常識を疑え!借入金の個人保証は当たり前じゃないよ

2年ほど前から、財務に関与をさせていただいているお客様がいらしゃいます。

家族で経営されている、社員合わせ15人ほどの会社です。

関与してから迎えた2度目の決算、自己資本比率は30%に迫り、流動比率も200%近くまで上がってきました。

つまり、銀行格付けを、決算組に注意しながらアップさせてきたわけですね。

 

僕が関わらせていただいた以上は、それ以外にも、黒字の維持と、キャッシュフローメネジメントを重視してきましたから、長期借入金は一部返済が完了し、前期は金利交渉の結果、1%弱、短期融資の折り返し時の金利を圧縮することもできました。

本当に「財務」というのは、予想した通りの結果に導いてくれます。

たかが数字ですが、されど数字です。

本当に困っている方は、お声掛けくださいね。数字は現実で、事実(ファクト)ですから、ほっておいてどうにかなるものでも、何とかなるものでもありませんので。

目次

  • まえがき
  • 金融機関が、経営者を連帯保証人として求める理由
  • 借入金の際の、経営者による連帯保証制度に、風穴を開ける2つの動き
  • 未取引金融機関や、メインバンク以外と積極的に交渉する

 

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ざっきーです。経営者専門の保険屋です。

大好きなお客様におせっかいをやいて、その方の事業価値の向上に関わらせていただいて、経営ビジョンの達成のお手伝いをさせて頂き、経営者を取り巻くリスク(不確実性)からお守りする事を、仕事としております。

で、その会社の経営者の方から連絡をいただきまして「ざっきーさん、今期の目標としては、社長にかかっている銀行借入金の個人保証を外したいんです」という内容でした。

 

メールをいただいた段階で、出張に出ていたものですから、僕の返信が遅くなっている中で、どうやら、その方は、不動産の担保の話と、経営者の個人保証の話を、同じように考えられており、登記のこともあるからと、、、

その会社に縁の深い司法書士に話をしたところ、鼻で笑われて「中小企業は個人保証は当然で、大企業でもない会社は無理無理」って…

久しぶりに「こいつ、潰してやろうか」と思いましたね(怒)

2年前の公開されている情報さえ知らないなら、コメントなどするな!

 

士業であるにも関わらず、知識や、知見のないそうゆう発言や知ったかぶりが、中小企業経営者の皆さんに、間違った情報や、判断の錯誤の引き金になってるのを気づいてないのかな!

ふぅ、、、いかんいかん、深呼吸、深呼吸。

 

 

僕が慌てて返した内容は、2つのこと。

 

一つは、中小企業庁の「ご存知でしたか?「経営者保証」なしで融資を受けられる可能性があります」という、経営者保証に関するガイドラインについてです。

 

もう一つは「マジで、個人保証外して、そいつに報告しましょう、外せましたけど何か?って」(笑)

 

常識というものは、時代によって変化していきます。

現状を把握して、環境の変化をキャッチアップしながら、経営ビジョン達成に向かって挑戦している方を僕は支えたいから、星の数ほどある情報だけじゃなく、裏付けもとりながら、実務でお返ししていく、これが僕のやり方です。

 

金融機関が、経営者を連帯保証人として求める理由

こういった話をする時には、現状の理解が必要です。

なので、まずは、銀行がなぜ経営者を連帯保証人として求めるかについて理解しておきましょう。

貸出先である金融機関が、経営者の個人保証をとる主な理由としては、以下のような点が挙げられます。

 

1)中小企業と経営者を一体として評価しているため

銀行は中小企業に融資を行うにあたって、会社と経営者個人を一体として審査や評価を行います。

そう、皆さんがご存じの通り、経営者個人の資産についても評価の対象となっているのです。

 

2)経営者の規律付けのため

個人保証をつけることにより、経営者に「倒産すればすべてを失う」という覚悟をもって、経営にあたってもらうことを求める意味もあります。

意外とこの点は重要で、あとから出てきますが、メインバンクほど、経営者の個人保証は外しづらいものです。

 


3)信用補完のため

中小企業は大企業と比べ、決算書の透明性や客観性が低いと見られています。これを補完するという狙いもあると言えるでしょう。

貸出先の銀行での、経営者の個人口座については、銀行はウオッチしているので、そこで何が決済されているのか、また、一切の個人口座がないというもの、信用度の観点からは避けるべきことといわれてますよね。

 

まあ、当たり前の話ですけど、借入金というのは金融機関のお金ではなく、預金者のお金です。

貸し手からすれば、その借入金の返済の保全というのは当然の事なんです。だから、簡単に「はずせ!」ではいけない、という事なんですね。

 

借入金の際の、経営者による連帯保証制度に、風穴を開ける2つの動き

経営者保証に関しては、2つのトピックスが、既に報道されています。民法の法改正と、金融庁・中小企業庁による新ガイドラインの策定です。

 

民法に関しては、法制審議会というところで進められている「契約ルール見直し作業」で示された改正試案のなかに「中小企業が融資を受ける際の個人保証を経営者に限定する」という文言が入っていることです。

2011年には金融庁の監督指針により「原則として第三者保証はとらない」という方向性が打ち出され、以来、第三者保証人は不要というルールが定着しつつありますが、改正試案が法改正にかけられ、国会で承認されれば法的根拠を持つことになります。

いつ頃、法律として成立するかは、まだわかりませんが、今後、銀行が第三者保証を求めることは、もはやない。と考えて良いのではと思います。

 

そしてもうひとつは、中小企業庁と金融庁において、会社が倒産しても連帯保証している経営者の個人資産を全額没収されないような指針(ガイドライン)を、2014年に策定されたことです。

会社が万が一、倒産や廃業しても、経営者が再起しやすい環境を整え、日本経済の活性化につなげるのがその狙いです。

ただし、どの程度の個人資産が残せるのか詳細までは踏み込んでいませんし、金融機関にとっても、はいそうですかと、丸呑みするわけにはいきませんし、中小企業庁と金融庁の温度差があるもの事実です。

 

ただし、会社の倒産によって、経営者が個人資産をすべて失うという事態はなくなる方向には向いますし、こうした動きは、連帯保証制度に苦しめられてきた中小企業の経営者や関係者にとって、朗報であることは間違いありませんよね!

 

が、あくまでも、新規融資が中心となるし、既存融資に関しては、なかなか難しいのが現状です。だって、金融機関だって融資の保全は必要ですからね。

だって、ガイドラインってのは、法的拘束力はないから。ここが大事なところね。

 

まあ、

日本の場合、民法の理解がちゃんとできていないところもあるし、保証人という意味を理解できていない方も多く、そこが問題だったりしますよね。

後継者の社長の皆さんも、本当に意味が分かって、その印鑑をついて個人保証したのかどうか、、、

 

基本的には、過去に多く見られた第三者保証人が不要となることは、「頼む苦しみ」や「頼まれる苦しみ」からの解放を意味しますし、それが原因で起こる人間関係や、家族の崩壊がなくなることを意味します。

宮部みゆきさんの名著「火車」の世界がなくなる事は、とても大事だと思いますし。実際、それで苦労された経営者の方も存じ上げておりますので、、、

確かに、経営者の連帯個人保証が外れる、ということは、倒産時の全財産没収禁止は「倒産すればすべてを失う」という恐怖感を薄めますし、リスクをとって挑戦される方には、よい傾向だとは思います。

 

未取引金融機関や、メインバンク以外と積極的に交渉する

では、僕が経験してきた中から、中小企業への融資において、経営者の連帯保証のない借入を実現するためのポイントをちょっとだけ解説します。

 

まずは、経営者が、金融機関に、ご自身の経営ビジョンを説明し、今後の事業承継も含め、きちんと話をしなければなりません。

担当者に任せる問題ではありません。

金融機関は、個人の連帯保証をしている経営者ご自身を、じっと見ていますから。

そして、その対象は、現在の取引金融機関のほか、未取引金融機関に対しても「社長の連帯保証をはずした借入をしたい」という要望を、きちんと伝える事が大事です。

 

根拠は、ガイドラインです。

 

そして、その先には円滑な事業継承と、雇用の確保、地元経済への影響など、公の要因を伝える必要があります。連帯債務保証が怖いからいや、では、金融機関は理解しません。

だって、何もプラスにならない要因だからです。それに、金入機関は預金者の代弁者なのだ、債権者なんだという事を、建前では忘れないでくださいね。

ガイドラインがあるからって、これを前面に押し出さない事です(それは逆効果です)。

ここは、金融機関担当者も人間ですから、頭ごなしにいってくる経営者の方のために汗をかく事は、なかなかありませんから、忘れないでね。

 

それと、大事なのが、決算組による「信用格付け(銀行格付け)」の向上です。

これは、経営者の成績表なので、これをアップさせながら行うことが大事です。

経営ビジョンという未来への理想と覚悟、信用格付けの向上による現状の改善と証拠の提示、そして、ガイドライン。この3点がそろって初めて、借入金における経営者の連帯債務保証をはすず、という流れが生まれてきます。

 

 

実際、この会社さんにも、このような話をしたところ、メイン(信用金庫)、サブ(地銀)はゼロ回答でしたが、他のサブ(地銀)と、取引のない口座のある2つの金融機関とが検討すると言っています。

 

さて、皆さんどう思います?

今やゼロ金利で、地銀、信用金庫の収益は圧迫されています。現在のような金融緩和下の中小企業融資の減少がそもそもあって、貸出競争の激化という背景があり、融資をしても真摯に対応できて、返済能力のあるところに、金融機関は貸したいのではないでしょうか?

そして、その場合、真っ当な中小企業には、経営者の連帯保証などなくても、貸したいのです。

 

もし皆さんが、経営者の連帯保証のない銀行借入の実現を目指したいなら、一つは、取引歴を持たない金融機関、つまり、未取引金融機関と交渉するのも現実的です。

それと並行して、現状を把握し、ご自身の信用格付けを認識し、そこから経営ビジョンにそっての今後の経営経営計画を伝えながら、金融機関が経営者の連帯保証を求める理由を減らす努力を重る必要があります。

そして未取引金融機関や、長期借入金の返済が終わったタイミングなどに、粘り強い交渉を続けることが、連帯保証のない借入を勝ち取る道に繋がるように思いますが、いかがでしょうか?

常識は疑ってください、現実が事実(ファクト)です。

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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