思い出の「たたき蕨ご飯」料理は人そのかもしれません…

先週末、10年以上のお付き合いのありました、

「割烹かつら」のご主人、丹羽さんの告別式に行き、

お見送りをしてきました。

 

男気あって、豪快なので、誤解されやすいところもあったけど、

その料理は繊細で

「素材がいいから美味しいんだよ」と言いながら、

ほとんどわからないぐらいに工夫された料理と、

それを食べている人への興味と観察は、本当に勉強になりました。

 

本来であれば、この時期に、能登からの自然の恵みである山菜を、

お店に頂きに行くところを、お見送りすることになろうとは、、、

 

去年頂いた「たたき蕨ご飯」を思い出して、

作ってみました。

もちろん、心の中で、丹羽さんと会話しながらです。

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この写真が、去年頂いた、たたき蕨ご飯と、蜆の味噌汁です。

 

まずは、材料から。

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能登の蕨など、手に入るレベルのものではありませんので、

何軒かまわって、それなりに取ったばかりの蕨を手に入れました。

写真は2房で、300gぐらいですね。

しかも重曹がそれぞれ5gもついていて(笑)

現代は至れりつくせりだな、と。

 

さて、材料でしたね。

1、蕨(できるだけ、産地が近く、取れたてのもの)300g

2、木の芽 ひとつかみ(多いほうがいいです)

3、重曹 10g 4、味噌 大さじ1 5、醤油 小さじ1

これだけです。

 

まあ、難しいのは蕨の「あく抜き」ですよね

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さて、あく抜きされて、水に使った状態で、スーパーなどで売っている蕨、

あれは、別物です。

あれと、これとは、雲泥の差なので、

ご注意を!

で、蕨というか山菜って、あく(苦みや渋み)が強い訳です。

新芽なので、他の動物に食べられないようにするための、

植物の知恵です。

 

だから、あくを抜き過ぎると、同時に旨味も抜けて、

どうしようもないものになります。。。

 

そもそも、野菜は癖や旨味があるもの。

一度、生で食べてみてください。

ソースとか、ドレッシングとか掛けないで、

 

すると気付きます。

ぜんぜん味がしない野菜と、すっごく味のする野菜に!

 

これ、経営者が人材を見るポイントと一緒です。

先入観や、履歴書、周りの評判や、見た目なども大事ですが、、、

目から入る情報をシャットアウトして、耳から入る情報から、

まず、判断する。という方もいらっしゃいますよね。

そう、第一面接の際の、録音テープを聞いてから、

資料に目を通す、という方法です。

 

すいません、脱線しました。。。

では、蕨を水洗いします。

 

切り口の部分が汚れていたら、ちょっとだけ切り落としましょう。

芽の部分は、とってから時間が経っているものだと、

崩れていますので、

それも見分け方のポイントですね!

 

話が長くなりましたが「あく抜き」に入ります

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ポイントはこれです。

蕨がそのままつかる大きさの鍋を用意し、

沸騰させます。

 

この場合の分量は、

1、水 1500cc

2、重曹 10g

絶対に、水に対して10%以上の重曹は入れないでください。

かと言って、5%以下にしないでください。

約7%のアルカリ水を作るイメージです。

 

で、沸騰させたら、火を消して、

重曹を入れます。

重曹は炭酸でもありますので、

ぶわっとなりますが、

火が消えているので大丈夫!

 

で、ここ大事ね。

5分放置してから、

蕨をいれてください。

沸騰した温度のお湯では強すぎます。

 

なので、

この時間が大切です。

荒熱を取る感じ、でしょうか。

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で、一晩そのままです。

はい、

その日の内には食べれませんから、

はい、

時間がかかりますから、

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すると、こんな感じになります。

ちょっと発色がよくなって、

この写真では見えませんが、

煮水は、きれいなグリーンです。

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で、水であらって、

バットに入れます。

 

真水で満たし、冷蔵庫に入れれば、1週間ぐらい持ちますが、

美味しさは日に日に、落ちていきます。

 

ここまま、食べやすい大きさに切って、

ちょっとの鰹節醤油で味付けしても、

美味しいのですが、

たたき蕨にします。

 

では、たたきます!

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蕨を、この場合だと100gぐらい取り出していただき、

まな板に載せ、

サランラップを掛けます。

他のラップでもいいのですが、

僕の前職なので、つい(笑)

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で、そのラップの上から、

蕨の外側の繊維をつぶすように、

たたきます

たたきます、

たたきます、、

 

ラップをしないと、

飛び散ります。

ここ、

重要です!

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で、ある程度たたけたら、

ラップをとって、

包丁で、たたきます。

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次に、木の芽を

きざみます。

タップリが丹羽さん流。

僕も、まねっこ。

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で、木の芽を刻んだら、

大さじ1の味噌と、

たたき蕨を混ぜながら、

たたきます。

 

味見してください。

新芽の香りを、

自然の息吹を、

春というのが、

なぜ、1年のスタートにふさわしいのか、

ちょっと、

わかる気がします。

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で、最後に、

ちょっとだけ、お醤油。

味によっては、

ちょっとでいいし、

小さじ1以上は入れないでね。

 

で、完成しましたが、、、

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蕨の質、鮮度が違うので、

色もそれほど発色しませんし、

香りも、味も、

丹羽さんのたたき蕨ご飯にはなりません、、、

 

ああ、

美味しいんですよ、これはこれで。

本当です。

 

我ながら、、、

丹羽さんのたたき蕨ご飯を食べてなければ、

どや顔であげますもん(笑)

 

でもね、

でもね、

これ、

ちがうんです。

 

「料理は、食べる人が、感じればいい」

 

「その時期に、その時期の一番いいものを、頂く」

 

「美味しいか?

 美味しいってのは、

 美味しく作っているからじゃなく、

 美味しく感じてるからなんだよ」

 

丹羽さん、もう食べられないけど、

僕の中では、

ずっと残っていますからね。

 

ありがとう。

あかん、書いていて泣いちゃった。

R.I.P.

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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