長期金利の利回りがマイナスになったら、どうなるのか?

昨日は、ずーと事務仕事をしてまして、会食のアポがなかったものですから、

止まり木に寄って「独り飲み」についてブログに書こうと思ってたのですね♪

ところが、夕方、長期金利の利回りがマイナスなったとのニュース。

個人的には「そうだよね。そりゃ、そうなるよね」って思っていましたが、

問い合わせとかに対応して、バタバタ帰宅して、テレビをザッピングしてましたら、

報道ステーションを見ちゃって、血が逆流しました(笑)

 

もう、テレビとか、マスコミの経済報道、見ないほうがいいですよー

恐怖と、不安を煽りたてているだけです。

いろんな解説をすべきなのに、一方的な不安喚起、これはあかんよなー

 

もう、ツッコミどころ満載ですが、ちょっとクールダウンして、

長期金利の利回りがマイナスでも、利益が上がることをお話ししますね。

 

そう、確かに影響は色々出ますが、人の行動を、もっと理解した方がええです。

 

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僕はざっきー、経営者専門の保険屋さん。

よく、保険なんてのは、誰から入っても一緒だから、

関係性さえあればいいんだよ!と言われますが、

経営者の皆さんのリスクは、巨大だし、

問題点が潜んでる場合が多いので、

注意してくださいね。

 

これ入りたいんだけど、って保険屋さんにゆうて、

「はい、喜んで!」ってのは、皆さんの潜在的なリスクを、

チェックするチャンスを逃したという証です(笑)

 

僕の場合は、好きにならないと、担当しませんが(笑)

理由は、この潜在的なリスクを、現状を分析し、問題を抽出しないと、

本当の解決にならないことを、痛いほど知っているからなんです。

 

「入ってやるよ」と言われると「結構です」と、

心の中で言っちゃいます(笑)ごめんなさい。

 

それよりも、全部見せるから、本気で調べてよ、

の方が、ありがたいです。これ、本気の本音です(笑)

 

それに、

実際のところ、保険という商品だけで、

経営者の皆さまを守れないし、

それ以外の付加価値で、顧問契約をして顧問料を頂けるぐらいの、

価値提供ができなきゃ、今、生きているというもの凄いチャンスの中で、

縁があって関わっている仕事が、面白くありませんからね。

 

どうせやるなら、本当に楽しくて、凄いことをしたいなぁと。

そんな気持ちなんす。

 

だから、その一つとして、

分かりにくい経営周りの情報を整理して、発信したいなと思っている訳です。

 

言葉や、キーワードで、本質を理解せずに、不安や、恐怖を煽り立てる報道に、

惑わされないでくださいね。

 

さて、まずは、

「金利」と、「利率」と、「利回り」、の違いをお話しします。

 

「金利」とは、お金の貸し借りをする際の、手数料のことを意味しています。

預金であれば、手数料を貰えますし、借入であれば手数料を払いますよね。

この手数料を「金利」と言います。

 

その「金利」の元本に対する割合を「利率」と言いまして、100万円に対して、

年利2%というのは、金利が100万円×2%の2万円で、2%というのが「利率」です。

 

でもね「利回り」ってのがありまして、

これは「利率」が元本に対する「金利」であるのに対して、

「利回り」は、

元本に対する、金利も含めた収益の割合のことを言います。

 

さて、ここから始めましょう。

 

先日の日銀政策決定会合で、216日から日銀当座預金の一定額以上に、

マイナス金利(正確にはネガティブ金利(懲罰的金利))を利付する、

という決定がされまして、

これをきっかけとして、世界的なリスクオフ(リスクを回避して、

安全資産に移行するということ)の動きがあり、

安全資産である国債など債券の価格が高騰(つまり金利が低下)しています。

 

そして平成28年2月9日、とうとう長期金利の指標である、

10年もの国債の利回り(元本に対する収益の割合)が、

マイナスを付ける場面がありました。

 

16時頃に、10年もの国債の価格を調べましたら、

10年もの国債のクーポン(金利)は0.3%、

価格は額面100円あたり103.45、

利回りは△0.05%と、

なっていました。

 

つまり、100万円分の10年もの国債を買うとすれば、

103万4,500円を払わないと買えない、

っていうことになります。

 

でもね、クーポン(金利)は、0.3%ありますから、

100万円分の10年もの国債を購入すると、

100万円×0.3%で、年に3,000円貰える訳です。

 

また、10年もの国債ですから、10年間で金利は30,000円、

そして10年後に100万円が戻ってきますよね。

 

こう考えると、

先程、購入時に1034,500円払った訳ですから、

1034,500円-103万円で、4,500円の損失となります。

 

ほら、やっぱ、、、

10年間、100万円を運用したのに、利益がでるどころか、

逆に「利回り」がマイナスになってしまいました、

ということになりませんか?

 

でもね、この計算ってのは、

満期まで国債を持っていた場合の話なんです。

 

実は、国債は、株式市場の100倍以上の、大きな債券マーケットで、

取引されています。

 

もし、誰かが、

最初に出した1034,500円よりも、高く買ってくれると思えば、

これを買う意味はある訳です。

 

つまり、

別の銀行が、104万円で買う!と、

注文を出してくれれば、ちゃんと利益はでます。

 

なぜ買うのか?

 

銀行は、お金を遊ばせておく訳にはいきません。

誰かのもとに、お金を移動させることで、利益を生むのです。

 

しかも、日銀から毎年、80兆円も供給され続けるお金を、

日銀にある当座勘定に置いたままにすると、

0.1%のネガティブ金利が付くんです。

 

だったら、10年満期の最後まで保有していれば、

利回りはマイナスですが、

もし、104万円で買った銀行が、

さらに、105万円で、別の銀行に転売できると思えば、

国債は取引され続けられます。

 

そう、すぐには、国債市場の混乱などは出ないと思いますが、

ここまでしないと収益が上がらない、銀行という金融モデルが、

どう、次の一手を打ってくるのかを、予想すべきです。

 

僕の理解は、

融資金利(住宅ローンも含めての)の上昇です。

 

だって、それ以外に、

収益を上げられる方法が、今はないのですから。

 

長期金利がマイナスになったから、住宅ローン金利はもっと下がるって、、、

銀行は利益が出ないと倒産しますから、できないことはできない、

という判断をするのは、そんな先じゃないと思いますがね。

 

だって、これ、最後はマイナスの利回りだから、

いつかは、誰かがババ抜きのジョーカーを掴んで、ジエンド。

 

これ、不動産バブル崩壊時の、いつか見た光景です。

まあ、その時まで金融緩和政策が続いていたら、日銀が買うので、

未来に損出を、付け回しているだけですけどね(泣)

 

この状況、

わかっていても、始めざるを得ません。

 

なぜなら、人は今を生きているからです。

今、できることをみんな、必死でしてるんです。

 

経済環境が変わった、ルールが変わった、ってんなら、

その新しい土俵で、できることをするしかないんです。

 

よく、ダーウインの進化論の環境適合しないと、話がありますが、

実際は、そんな悠長なスピード感ではありません。

これ、皆さんも感じられてることじゃないでしょうか?

 

まあ、今回、国債の利回りが、マイナスになったことで、

長期でみたら、現預金などというものは、価値を毀損する可能性が

現実味を帯びてきた、ということです。

 

でもね、債券と逆の動きをする株式も、乱高下を繰り返し、

よく見ると、業績が良いはずの大型銘柄まで、引きづられて下がっている、

もう、流れや、他人の動きに惑わされて、混乱しているのでしょうね。

 

そもそも、昨年秋から、官製相場になり、おかしいという話をしていましたが、

ポジションを取ったままの方は、追証などで大変でしょうね。心配だなぁ〜

 

そもそもは、民主党政権時に、量的金融緩和を行う際に、

国債を日銀が買い取りますので、国債で運用益が出なくなる金融機関保護のために、

日銀当座預金に、0.1%の利付をつけることを、認めたところから、

金融機関、特に銀行が自らを変化させるタイミングを逸したのでは、と思います。

 

今後は、金融機関の統廃合が始まりますので、中小企業経営者の皆さまへの影響は

少なからず出てくると思います。

 

まずは足元の、現状把握をしてみてださい。

 

金融機関に「うちの銀行格付けは、いくらなんだ」と聞いてみてください。

金融機関ごとで反応が違うでしょうし、教えてくれるかどうか、、、

でも、そこからが始まりです。

 

大丈夫。

銀行格付けなど、現状把握のやり方がわからなければ、

お伝えしますから。

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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